第4章 勤労時間及び休息
(勤労時間)
第50条
(1)1週間の勤労時間は、休憩時間を除いて、40時間を超過できない。
(2)1日の勤労時間は、休憩時間を除いて8時間を超過できない。
(3)第1項及び前項による勤労時間を算定するにあたっては、作業のために勤労者が使用者の指揮・監督の下にある待ち時間等は、勤労時間とみなす。 (新設2012.2.1)
(弾力的勤労時間制)
第51条
(1)使用者は、就業規則(就業規則に準ずるものを含む。)で定めるところにより、2週以内の一定の単位期間を平均して1週間の勤労時間が前条第1項の勤労時間を超過しない範囲で、特定の週に同項の勤労時間を、特定の日に前条第2項の勤労時間を超えて勤労させるようにすることができる。ただし、特定の週の勤労時間は、48時間を超えることができない。
(2)使用者は、勤労者代表との書面による合意により、次の各号の事項を定めたときは3カ月以内の単位期間を平均して1週間の勤労時間が第50条第1項の勤労時間を超過しない範囲で、特定の週に同項の勤労時間を、特定の日に第50条第2項の勤労時間を超えて勤労させるようにすることができる。ただし、特定の週の勤労時間は52時間を、特定の日の勤労時間は12時間を超えることができない。
1.対象勤労者の範囲
2.単位期間(3カ月以内の一定の期間を定めなければならない。)
3.単位期間の勤労日とその勤労日別勤労時間
4.その他の大統領令で定める事項
(3)第1項及び前項の規定は、15歳以上18歳未満の勤労者及び妊娠中である女性勤労者に関しては、適用しない。
(4)使用者は、第1項及び第2項により勤労者を勤労させる場合には、既存の賃金水準が低くならないように賃金を補填する方策を講じなければならない。
(選択的勤労時間制)
第52条
使用者は、就業規則(就業規則に準ずるのを含む。)により業務の開始及び終了の時刻を勤労者の決定に任せることにした勤労者に関し、勤労者代表との書面による合意により次の各号の事項を定めたときは、1カ月以内の精算期間を平均して1週間の勤労時間が第50条第1項の勤労時間を超過しない範囲で、1週間に同項の勤労時間を1日に第50条第2項の勤労時間を超過して勤労させることができる。
1.対象勤労者の範囲(15歳以上18歳未満の勤労者を除く。)
2.精算期間(1カ月以内の一定の期間を定めなければならない。)
3.精算期間の総勤労時間
4.必ず勤労しなければならない時間帯を定める場合には、その開始及び終了の時刻
5.勤労者がその決定により勤労できる時間帯を定める場合には、その開始及び終了の時刻
6.その他の大統領令で定める事項
(延長勤労の制限)
第53条
(1)当事者間で合意したときは、1週間に12時間を限度として、第50条の勤労時間を延長することができる。
(2)当事者間で合意したときは、1週間に12時間を限度で第51条の勤労時間を延長でき、第52条第2号の精算期間を平均して1週間に12時間を超過しない範囲で、同条の勤労時間を延長することができる。
(3)常時30人未満の勤労者を使用する使用者は、次の各号に関し勤労者代表と書面で合意した場合、前2項により延長した勤労時間に加えて1週間に8時間を超過しない範囲で勤労時間を延長することができる。 (新設2018.3.20)
1.前2項により延長した勤労時間を超過する必要がある理由及びその期間
2.対象勤労者の範囲
(4)使用者は、特別な事情があるときは、雇用労働部長官の認可及び勤労者の同意を得て、第1項及び前項の勤労時間を延長することができる。ただし、事態が緊急で差し迫り、雇用労働部長官の認可を受ける時間がない場合には、事後に直ちに承認を受けなければならない。
(改正2010.6.4, 2018.3.20)
(5)雇用労働部長官は、前項による勤労時間の延長が不適当だと認めるときは、その後、延長時間に相当する休憩時間又は休日を与えることを命じることができる。
(改正2010.6.4, 2018.3.20)
(6)第3項は、15歳以上18歳未満の勤労者については適用しない。 (新設2018.3.20)
**[法律第15513号(2018.3.20)付則第2条の規定により、この条第3項及び第6項は2022年12月31日まで有効である。]
**[施行日:2021.7.1]第53条第3項、第53条第6項
(休憩)
第54条
(1)使用者は、勤労時間が4時間である場合には30分以上、8時間である場合には1時間以上の休憩時間を、勤労時間途中に与えなければならない。
(2)休憩時間は、勤労者が自由に利用することができる。
(休日)
第55条
(1)使用者は、勤労者に1週間に平均1回以上の有給休日を保障しなければならない。
(改正2018.3.20)
(2)使用者は、勤労者に大統領令で定める休日を有給で保障しなければならない。 ただし、勤労者代表と書面で合意した場合は、特定の勤労日に変えることができる。 (新設2018.3.20)
**[施行日]第55条第2項の改正規定は、次の各号の区分に応じてそれぞれに掲げる日から施行する。
1.常時300人以上の勤労者を使用する事業又は事業場、「公共機関の運営に関する法律」第4条による公共機関、「地方公企業法」第49条又は同法第76条による地方公社又は地方公団、国家・地方自治体又は政府投資機関が資本金の2分の1以上を出資し、若しくは基本財産の2分の1以上を出捐した機関・団体並びにその機関・団体が資本金の2分の1以上を出資し、若しくは基本財産の2分の1以上を出演した機関・団体、国家並びに地方自治体の機関:2020年1月1日
2.常時30人以上300人未満の勤労者を使用する事業又は事業場:2021年1月1日
3.常時5人以上30人未満の勤労者を使用する事業又は事業場:2022年1月1日
(延長・夜間及び休日勤労)
第56条
(1)使用者は、延長勤労(第53条・第59条及び第69条ただし書きにより延長された時間の勤労)、夜間勤労(午後10時から午前6時まで間の勤労)又は休日勤労に対して、通常賃金の100分の50以上を加算して支給しなければならない。 (改正2018.3.20)
(2)前項にかかわらず使用者は、休日勤労に対しては、次の各号の基準による額以上を加算して勤労者に支給しなければならない。 (新設2018.3.20)
1.8時間以内の休日勤労:通常賃金の100分の50
2.8時間を超過した休日勤労:通常賃金の100分の100
(3)使用者は、夜間勤労(午後10時から次の日の午前6時までの間の勤労をいう。)に対しては、通常賃金の100分の50以上を加算して勤労者に支給しなければならない。(改正2018.3.20)
(補償休暇制)
第57条
使用者は、勤労者代表との書面による合意により、前条による延長勤労・夜間勤労及び休日勤労に対して賃金を支給することに代えて休暇を与えることができる。
(勤労時間計算の特例)
第58条
(1)勤労者が出張その他の理由で勤労時間の全部又は一部を事業場外で勤労し、勤労時間を算定することが困難な場合には、所定勤労時間勤労したとみなす。ただし、その業務を遂行するためには通常所定勤労時間を超過して勤労する必要がある場合には、その業務の遂行に通常必要な時間勤労したとみなす。
(2)前項ただし書きにかかわらず、その業務に関して勤労者代表との書面による合意をした場合には、その合意で定める時間をその業務の遂行に通常必要な時間とまなす。
(3)業務の性質に照らして、業務の遂行の方法を勤労者の裁量に委ねる必要がある業務として大統領令で定める業務は、使用者が勤労者代表と書面による合意で定めた時間勤労したとみなす。この場合、その書面による合意には、次の各号の事項を明示しなければならない。
1.対象業務
2.使用者が業務の遂行手段及び時間配分等に関して勤労者に具体的な指示をしないという内容
3.勤労時間の算定は、その書面による合意で定めたところによるという内容
(4)第1項及び前項の施行に必要な事項は、大統領令で定める。
(勤労時間及び休憩時間の特例)
第59条
(1)「統計法」第22条第1項により統計庁長が告示する産業に関する標準の中分類又は小分類中次の各号いずれか一つに該当する事業について、使用者が勤労者代表と書面による合意をした場合には、第53条第1項による週12時間を超えて延長勤労をすることとし、又は第54条による休憩時間を変更することができる。
1.陸上運送及びパイプライン運送業。 ただし、「旅客自動車運輸事業法」第3条第1項第1号による路線旅客自動車運送事業を除く。
2.水上運送業
3.航空運送業
4.その他運送関連サービス業
5.保健業
(2)前項の場合には、使用者は、勤労の終了後次の勤労の開始前までに勤労者に連続して11時間以上の休憩時間を与えなければならない。
[条文改正2018.3.20.]
[施行日:2018.7.1.]第59条
[施行日:2018.9.1.]第59条第2項
(年次有給休暇)
第60条
(1)使用者は、1年間80パーセント以上出勤した勤労者に15日の有給休暇を与えなければならない。 (改正2012.2.1)
(2)使用者は、継続して勤労した期間が1年未満の勤労者又は1年間80パーセント未満出勤した勤労者に対して、1カ月皆勤時に1日の有給休暇を与えなければならない。(改正2012.2.1)
(3)削除 (2017.11.28)
(4)使用者は、3年以上継続して勤労した勤労者には、第1項による休暇に最初1年を超過する継続勤労期間毎2年に対し1日を加算した有給休暇を与えなければならない。この場合、加算した休暇を含む総休暇日数は、25日を限度とする。
(5)使用者は、第1項から前項までの規定による休暇を勤労者が請求した時期に与えなければならず、その期間に対して就業規則等で定める通常賃金又は平均賃金を支給しなければならない。ただし、勤労者が請求した時期に休暇を与えることが事業運営に甚大な支障がある場合には、その時期を変更することができる。
(6)第1項及び第2項の規定を適用する場合において、次の各号のいずれか一つに該当する期間は、出勤したものとみなす。 (改正2012.2.1,2017.11.28)
1.勤労者が業務上の負傷又は疾病で休業した期間
2.妊娠中の女性が第74条第1項から第3項までの規定による休暇で休業した期間
3.「男女雇用平等及び仕事・家庭両立支援に関する法律」第19条第1項による育児休職で休業した期間
(7)第1項から第4項までの規定による休暇は、1年間行使しなければ消滅する。ただし、使用者の帰責事由で使用できない場合には、この限りでない。
(年次有給休暇の使用促進)
第61条
使用者が、前条第1項及び第4項による有給休暇の使用を促進するために次の各号の措置をしたにもかかわらず、勤労者が休暇を使用せず同条第7項本文により消滅した場合には、使用者はその使用されなかった休暇に関し補償する義務がなく、同項ただし書きによる使用者の帰責事由に該当しないものとみなす。 (改正2012.2.1,2017.11.28)
1.前条第7項本文による期間が終わる6カ月前を基準として、10日以内に使用者が勤労者ごとに使用していない休暇日数を知らせ、かつ、勤労者がその使用時期を定めて使用者に通知するように書面で促すこと
2.前号による要求にもかかわらず、勤労者が要求を受けた時から10日以内に使用していない休暇の全部又は一部の使用時期を定めて使用者に通知しないときにおいて、前条第7項本文による期間が終わる2カ月前までに、使用者が、使わない休暇の使用時期を定めて勤労者に書面で通知すること
(有給休暇の代替)
第62条
使用者は、勤労者代表との書面による合意により、第60条による年次有給休暇日に代えて、特定の勤労日に勤労者を休業させることができる。
(適用の除外)
第63条
この章及び第5章で定めた勤労時間、休憩及び休日に関する規定は、次の各号のいずれか一つに該当する勤労者に関しては、適用しない。 (改正2010.6.4)
1.土地の耕作・開墾、植物の栽植・栽培・採取事業、その他の農林事業〔に従事する勤労者〕
2.動物の飼育、水産動植物の採捕・養殖事業、その他の畜産、養蚕、水産事業〔に従事する勤労者〕
3.監視又は断続的な勤労に従事する者として使用者が雇用労働部長官の承認を受けた〔勤労〕者
4.〔その他の〕大統領令で定める業務に従事する勤労者
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