第6章 安全と保健
(安全と保健)
第76条
勤労者の安全及び保健に関しては、「産業安全保健法」で定めるところによる。
第6章の2 職場内いじめの禁止 (新設2019.1.15)
[施行日:2019.7.16]
(職場内いじめの禁止)
第76条の2 使用者又は勤労者は、職場での地位又は関係等の優位を利用して、業務上の適正な範囲を越えて、他の勤労者に身体的・精神的苦痛を与え、又は勤務環境を悪化させる行為(以下「職場内いじめ」という。)をしてはならない。
[本条新設2019.1.15.]
[施行日:2019.7.16.]第76条の2
(職場内いじめ発生時の措置)
第76条の3
(1)誰でも職場内いじめ発生事実を知ることになった場合、その事実を使用者に申告することができる。
(2)使用者は、前項による申告を受け付け、又は職場内いじめの発生事実を認知した場合は、直ちにその事実確認のための調査を実施しなければならない。
(3)使用者は、前項による調査期間の間、職場内いじめと関連して被害を受けた勤労者又は被害を受けたと主張する勤労者(以下「被害勤労者等」という。)を保護するために必要な場合、当該被害勤労者等について勤務場所の変更、有給休暇命令等適切な措置をしなければならない。
この場合において、使用者は、被害勤労者等の意思に反する措置をしてはならない。
(4)使用者は、第2項による調査の結果、職場内いじめの発生事実が確認されたときは、被害勤労者の要請があれば、勤務場所の変更、配置転換、有給休暇命令等適切な措置をしなければならない。
(5)使用者は、第2項による調査の結果、職場内いじめの発生事実が確認されたときは、直ちに行為者に対して懲戒、勤務場所の変更等必要な措置をしなければならない。この場合において、使用者は、懲戒等の措置をする前に、その措置に関して被害勤労者の意見を聴かなければならない。
(6)使用者は、職場内いじめの発生事実を申告した勤労者及び被害勤労者等について、解雇及びその他の不利な処遇をしてはならない。
[本条新設2019.1.15]
[施行日:2019.7.16]第76条の3
第7章 技能習得
(技能習得者の保護)
第77条
使用者は、養成工、修習、その他の名称を問わず技能の習得を目的とする勤労者を酷使し、又は家事その他の技能習得に関係しない業務に従事させることができない。
第8章 災害補償
(療養補償)
第78条
(1)勤労者が業務上負傷し、又は疾病にかかったときは、使用者はその費用で、必要な療養を行い、又は必要な療養費を負担しなければならない。
(2)前項による業務上疾病並びに療養の範囲及び療養補償の時期は、大統領令で定める。
(改正2008.3.21)
(休業補償)
第79条
(1)使用者は、前条により療養中である勤労者に対し、その勤労者の療養中、平均賃金の100分の60の休業補償をしなければならない。 (改正2008.3.21)
(2)前項による休業補償を受けている期間に、その補償を受ける者に賃金の一部が支給された場合においては、使用者は、平均賃金からその支給された金額を差し引いた金額の
100分の60の休業補償をしなければならない。 (新設2008.3.21)
(3)休業補償の時期は、大統領令で定める。 (新設2008.3.21)
(障害補償)
第80条
(1)勤労者が業務上負傷し、又は疾病にかかり完治した後、身体に障害があるときは、使用者は、その障害の程度に応じて平均賃金に別表で定めた日数を乗じた金額の障害補償をしなければならない。 (改正2008.3.21)
(2)既に身体に障害がある者が負傷又は疾病によって同じ部位の障害がさらに深刻となった場合には、その障害に対する障害補償の金額は、障害の程度がさらに深刻となった障害等級に該当する障害補償の日数から既往の障害等級に該当する障害補償の日数を差し引いた日数に補償請求理由発生当時の平均賃金を乗じて算定した金額とする。 (新設2008.3.21)
(3)障害補償をしなければならない身体障害等級の決定基準及び障害補償の時期は、大統領令で定める。 (新設2008.3.21)
(休業補償及び障害補償の例外)
第81条
勤労者が重大な過失により業務上負傷し、又は疾病にかかり、かつ、使用者がその過失に関し労働委員会の認定が得られたときは、休業補償及び障害補償を行わなくても差し支えない。
(遺族補償)
第82条
(1)勤労者が業務上死亡した場合には、使用者は、勤労者が死亡した後直ちにその遺族に対し平均賃金の1000日分の遺族補償をしなければならない。 (改正2008.3.21)
(2)前項における遺族の範囲、遺族補償の順位及び補償を受けることが確定した者が死亡した場合の遺族補償の順位は、大統領令で定める。 (新設2008.3.21)
(葬儀費)
第83条 勤労者が業務上死亡した場合には、使用者は、勤労者が死亡した後直ちに平均賃金の90日分の葬儀費を支給しなければならない。 (改正2008.3.21)
(一時補償)
第84条 第78条により補償を受けている勤労者が、療養を始めて2年が経過しても負傷又は疾病が完治しない場合には、使用者は、その勤労者に対し平均賃金の1340日分の一時補償を行い、その後のこの法律によるすべての補償責任を免れることができる。
(分割補償)
第85条
使用者は、支給能力があることを証明し、補償を受ける者の同意を受けることができたときは、第80条、第82条又は前条による補償金を、1年にわたり分割して補償することができる。
(補償請求権)
第86条
補償を受ける権利は、退職により変更されず、譲渡し又は差し押さえることができない。
(他の損害賠償との関係)
第87条
補償を受けることとなる者が、同じ事由に関し「民法」又はその他の法令によりこの法律の災害補償に相当する金品を受けたときは、その価額の限度で、使用者は、補償の責を免れる。
(雇用労働部長官による審査及び仲裁)
第88条
(1)業務上の負傷、疾病又は死亡の認定、療養の方法、補償金額の決定、その他の補償の実施に関して異議がある者は、雇用労働部長官に審査又は事件の仲裁を請求することができる。
(改正2010.6.4)
(2)前項の請求があったときは、雇用労働部長官は、1カ月以内に審査又は仲裁をしなければならない。 (改正2010.6.4)
(3)雇用労働部長官は、必要に応じて、職権で審査又は事件の仲裁ができる。(改正2010.6.4)
(4)雇用労働部長官は、審査又は仲裁のために必要であると認めたときは、医師に診断又は検案をさせることができる。 (改正2010.6.4)
(5)第1項による審査又は仲裁の請求及び第2項による審査又は仲裁の開始は、時効の中断に関しては、裁判上の請求とみなす。
[題名改正2010.6.4]
(労働委員会の審査と仲裁)
第89条
(1)雇用労働部長官が前条第2項の期間に審査若しくは仲裁をせず、又は審査若しくは仲裁の結果に従うことができない者は、労働委員会に審査又は仲裁を請求することができる。
(改正2010.6.4)
(2)前項の請求があったときは、労働委員会は、1カ月以内に審査又は仲裁をしなければならない。
(請負事業に対する例外)
第90条
(1)事業が数次の請負により行われる場合の災害補償に関しては、元請を使用者とみなす。
(2)前項の場合において、元請が書面上の契約により下請人に補償を担わせることとした場合には、その受注人も使用者とみなす。ただし、2人以上の下請人に同じ事業に関し重複して補償を担わせることとすることができない。
(3)前項の場合において、元請が補償の請求を受けたときは、補償を担う下請人にまず催告することを求めることができる。ただし、その下請人が破産の宣告を受け、又は行方が知れない場合には、この限りでない。
(書類の保存)
第91条
使用者は、災害補償に関する重要な書類を災害補償が終わらず、又は次条により災害補償請求権が時効で消滅する前に、廃棄してはならない。 (改正2008.3.21)
(時効)
第92条
この法律の規定による災害補償請求権は、3年間行使しなければ時効で消滅する。
0 件のコメント:
コメントを投稿