2019年11月4日月曜日
厚生労働省関連ー男女雇用機会均等法・Q&A-7/ 후생노동성관련, 남여고용기회균등법, Q&A 7
⑸ 婚姻、妊娠、出産等を理由とする不利益取扱いの禁止等(第9条)
(婚姻、妊娠、出産等を理由とする不利益取扱いの禁止等)
第9条
事業主は、女性労働者が婚姻し、妊娠し、又は出産したことを退職理由として予定す
る定めをしてはならない。
2 事業主は、女性労働者が婚姻したことを理由として、解雇してはならない。
3 事業主は、その雇用する女性労働者が妊娠したこと、出産したこと、労働基準法(昭和22年法律第49号)第65条第1項の規定による休業を請求し、又は同項若しくは同条第2項の規定による休業をしたことその他の妊娠又は出産に関する事由であつて厚生労働省令で定めるものを理由として、当該女性労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。
4 妊娠中の女性労働者及び出産後1年を経過しない女性労働者に対してなされた解雇は、無効とする。ただし、事業主が当該解雇が前項に規定する事由を理由とする解雇でないことを証明したときは、この限りでない。
均等法第9条では、女性労働者の結婚・妊娠・出産退職制、女性労働者の結婚を理由とする解雇、女性労働者の妊娠・出産等厚生労働省令で定める事由を理由とする解雇その他不利益取扱いを禁止しています。また、女性労働者を妊娠中又は産後1年以内に解雇することは、事業主が妊娠等を理由とする解雇でないことを証明しない限り無効とされています。
また、禁止される結婚・妊娠・出産等を理由とする不利益取扱いに該当する具体的内容を指針(「労働者に対する性別を理由とする差別の禁止等に関する規定に定める事項に関し、事業主が適切に対処するための指針」)において示しています(P.72参照)。
なお、女性が結婚退職する場合に退職金を上積みするいわゆる結婚退職上積制度は、あらかじめ支給要件が明確にされていれば賃金に当たり、男女同一賃金の原則を定める労働基準法第4条に違反することになります。
【厚生労働省令で定める事由】
1 妊娠したこと。
2 出産したこと。
3 妊娠中及び出産後の健康管理に関する措置(母性健康管理措置)を求め、又は当該措置を受けたこと。
4 坑内業務の就業制限若しくは危険有害業務の就業制限の規定により業務に就くことができないこと、坑内業務に従事しない旨の申出若しくは就業制限の業務に従事しない旨の申出をしたこと又はこれらの業務に従事しなかったこと。
5 産前休業を請求し、若しくは産前休業をしたこと又は産後の就業制限の規定により就業できず、若しくは産後休業をしたこと。
6 軽易な業務への転換を請求し、又は軽易な業務に転換したこと。
7 事業場において変形労働時間制がとられる場合において1週間又は1日について法定労働時間を超える時間について労働しないことを請求したこと、時間外若しくは休日について労働しないことを請求したこと、深夜業をしないことを請求したこと又はこれらの労働をしなかったこと。
8 育児時間の請求をし、又は育児時間を取得したこと。
9 妊娠又は出産に起因する症状により労務の提供ができないこと若しくはできなかったこと又は労働能率が低下したこと。
※ 「妊娠又は出産に起因する症状」とは、つわり、妊娠悪阻、切迫流産、出産後の回復不全等、妊娠又は出産をしたことに起因して妊産婦に生じる症状をいいます。
妊娠・出産等を理由とする不利益取扱いの例
1 解雇すること。
2 期間を定めて雇用される者について、契約の更新をしないこと。
3 あらかじめ契約の更新回数の上限が明示されている場合に、当該回数を引き下げること。
4 退職又は正社員をパートタイム労働者等の非正規社員とするような労働契約内容の変更の強要を行うこと。
5 降格させること。
6 就業環境を害すること。
7 不利益な自宅待機を命ずること。
8 減給をし、又は賞与等において不利益な算定を行うこと。
(例)
① 賃金について、妊娠・出産等に係る就労しなかった又はできなかった期間(以下「不就労期間」という。)分を超えて不支給とすること。
② 賞与又は退職金の支給額の算定に当たり、不就労期間や労働能率の低下を考慮の対象とする場合において、同じ期間休業した疾病等や同程度労働能率が低下した疾病等と比較して、妊娠・出産等による休業や妊娠・出産等による労働能率の低下について不利に取り扱うこと。
9 昇進・昇格の人事考課において不利益な評価を行うこと。
(例)
① 実際には労務の不提供や労働能率の低下が生じていないにもかかわらず、女性労働者が、妊娠し、出産し、又は労働基準法に基づく産前休業の請求等をしたことのみをもって、人事考課において、妊娠をしていない者よりも不利に取り扱うこと。
② 人事考課において、不就労期間や労働能率の低下を考慮の対象とする場合において、同じ期間休業した疾病等や同程度労働能率が低下した疾病等と比較して、妊娠・出産等による休業や妊娠・出産等による労働能率の低下について不利に取り扱うこと。
10 不利益な配置の変更を行うこと。
(例)
① 妊娠した女性労働者が、その従事する職務において業務を遂行する能力があるにもかかわらず、賃金その他の労働条件、通勤事情等が劣ることとなる配置の変更を行うこと。
② 妊娠・出産等に伴いその従事する職務において業務を遂行することが困難であり配置を変更する必要がある場合において、他に当該労働者を従事させることができる適当な職務があるにもかかわらず、特別な理由もなく当該職務と比較して、賃金その他の労働条件、通勤事情等が劣ることとなる配置の変更を行うこと。
③ 産前産後休業からの復帰に当たって、原職又は原職相当職に就けないこと。
11 派遣労働者として就業する者について、派遣先が当該派遣労働者に係る労働者派遣の役務の提供を拒むこと。
(例)
① 妊娠した派遣労働者が、派遣契約に定められた役務の提供ができると認められるにもかかわらず、派遣先が派遣元事業主に対し、派遣労働者の交替を求めること。
② 妊娠した派遣労働者が、派遣契約に定められた役務の提供ができると認められるにもかかわらず、派遣先が派遣元事業主に対し、派遣労働者の派遣を拒むこと。
妊娠・出産等を理由として不利益取扱いを行うとは
均等法違反の要件となっている「理由として」とは妊娠・出産等の事由と不利益取扱いとの間に「因果関係」があることを指します。
妊娠・出産等の事由を「契機として」(※)不利益取扱いを行った場合は、原則として「理由として」いる(事由と不利益取扱いとの間に因果関係がある)と解され、法違反となります。
(※ ) 原則として、妊娠・出産等の事由の終了から1年以内に不利益取扱いがなされた場合は「契機として」いると判断します。
■ ただし、事由の終了から1年を超えている場合であっても、実施時期が事前に決まっている、又は、ある程度定期的になされる措置(人事異動、人事考課、雇止めなど)については、事由の終了後の最初のタイミングまでの間に不利益取扱いがなされた場合は「契機として」いると判断します。
(参考)最高裁判決(平成26年10月23日)(事件番号:平成24(受)第2231号)
【概要】
医療機関に勤めていた理学療法士の女性が、妊娠した際に軽易業務への転換を請求したことを理由に副主任を免じられたことについて、妊娠等を理由とする不利益取扱いに当たるとして提訴。
【結果】
最高裁の判決においては、軽易業務転換を契機として降格させる措置は、特段の事情等がない限り、原則として、男女雇用機会均等法等が禁止する不利益取扱いに当たると判示。
(「例外」に該当すると判断しうるケース)
▶例外
①(業務上の必要性が不利益取扱いの影響を上回る特段の事情がある)
・ 経営状況の悪化が理由である場合:不利益取扱いをしなければ業務運営に支障が生じる状況にあった上で、不利益取扱いを回避する合理的な努力がなされ、人員選定が妥当である 等
・ 本人の能力不足等が理由である場合:妊娠等の事由の発生前から能力不足等が問題とされており、不利益取扱いの内容・程度が能力不足等の状況と比較して妥当で、改善の機会を相当程度与えたが改善の見込みがない 等
▶例外
②(本人が同意し、一般的労働者が同意する合理的理由が客観的に存在)
・ 契機となった事由や取扱いによる有利な影響(労働者の求めに応じて業務量が軽減されるなど)があって、それが不利な影響を上回り、不利益取扱いによる影響について事業主から適切な説明があり、労働者が十分理解した上で応じるかどうかを決められた 等
※実際にはより詳細な状況等を確認した上で違法性の判断を行います。
Q&A
Q1 産前産後休業からの復帰に当たって、「原職相当職」とはどこまでが相当と判断
されるのでしょうか。
「原職相当職」の範囲については、個々の企業または事業所における組織の状況、業務の配分、その他の雇用管理の状況によってさまざまですが、一般的に、(イ)休業後の職制上の地位が休業前より下回っていないこと、(ロ)休業前と休業後とで職務内容が異なっていないこと及び(ハ)休業前と休業後とで勤務する事業所が同一であること、のいずれにも該当する場合には「原職相当職」と評価されます。
なお、(イ)から(ハ)までの全てに該当しなければ「原職相当職」には該当しないというものではなく、例えば、販売職の者が、(イ)及び(ロ)の条件を満たした上で、通勤事情の変化に伴い経済的または精神的な不利益を特段生じない別店舗(例えば自宅からより近い店舗)へ復帰する場合など、個々の企業の状況によってはいずれかが欠けている場合であっても、原職相当職と考えられる場合もあります。
Q2有期契約労働者が産前産後休業を取得することにより、契約期間の全てについて全く役務の提供ができない場合に契約を更新しないことも不利益な取扱いに該当するのでしょうか。
労働者が産前産後休業を取得することにより、次の契約期間の全てについて全く役務の提供ができない場合に契約を更新しないことについて、妊娠等していなければ契約更新されていたと考えられる場合は、この雇止めは妊娠などを理由とする不利益な取扱いに該当します。
厚生労働省関連ー男女雇用機会均等法・Q&A-6/ 후생노동성관련, 남여고용기회균등법, Q&A 6
⑷ 女性労働者についての措置に関する特例(第8条)
(女性労働者に係る措置に関する特例)
第8条
前3条の規定は、事業主が、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保の
支障となつている事情を改善することを目的として女性労働者に関して行う措置を講ずることを妨げるものではない。
均等法は、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保の支障となっている事情を改善することを目的として女性労働者に関して行う措置については、法違反とならない旨を明記しています。すなわち、これまでの女性労働者に対する取扱いなどが原因で職場に事実上生じている男女間格差を解消する目的で女性のみを対象としたり女性を有利に取り扱う以下の措置については、法第8条に定める措置として、法第5条及び第6条の規定には違反しません。
なお、男性労働者については、一般にこのような状況にはないことから、男性労働者についての特例は設けられていません。
⑴ 募集及び採用
女性労働者が男性労働者と比較して相当程度少ない雇用管理区分*1における募集又は採用や、女性労働者が男性労働者と比較して相当程度少ない*2役職についての募集又は採用に当たって、情報の提供について女性に有利な取扱いをすること、採用の基準を満たす者の中から男性より女性を優先して採用することその他男性と比較して女性に有利な取扱いをすること。
⑵ 配置
一つの雇用管理区分における女性労働者が同じ雇用管理区分の男性労働者と比較して相当程度少ない職務に新たに労働者を配置する場合に、その配置のために必要な資格試験の受験を女性労働者のみに奨励すること、基準を満たす労働者の中から男性労働者より女性労働者を優先して配置すること、その他男性労働者と比較して女性労働者に有利な取扱いをすること。
⑶ 昇進
一つの雇用管理区分における女性労働者が同じ雇用管理区分の男性労働者と比較して相当程度少ない役職への昇進に当たって、その昇進のための試験の受験を女性労働者のみに奨励すること、基準を満たす労働者の中から男性労働者より女性労働者を優先して昇進させること、その他男性労働者と比較して女性労働者に有利な取扱いをすること。
⑷ 教育訓練
一つの雇用管理区分における女性労働者が同じ雇用管理区分の男性労働者と比較して相当程度少ない職務又は役職に従事するに当たって必要とされる能力を付与する教育訓練に当たって、その対象を女性労働者のみとすること、女性労働者に有利な条件を付すこと、その他男性労働者と比較して女性労働者に有利な取扱いをすること。
⑸ 職種の変更
一つの雇用管理区分における女性労働者が同じ雇用管理区分の男性労働者と比較して相当程度少ない職種への変更について、その職種の変更のための試験の受験を女性労働者のみに奨励すること、変更の基準を満たす労働者の中から男性労働者より女性労働者を優先して職種の変更の対象とすること、その他男性労働者と比較して女性労働者に有利な取扱いをすること。
⑹ 雇用形態の変更
一つの雇用管理区分における女性労働者が同じ雇用管理区分の男性労働者と比較して相当程度少ない雇用形態への変更について、その雇用形態の変更のための試験の受験を女性労働者のみに奨励すること、変更の基準を満たす労働者の中から男性労働者より女性労働者を優先して雇用形態の変更の対象とすること、その他男性労働者と比較して女性労働者に有利な取扱いをすること。
*1 「雇用管理区分」とは職種、資格、雇用形態、就業形態等の労働者についての区分であって、当該区分に属している労働者と他の区分に属している労働者と異なる雇用管理を行うことを予定して設定しているものをいいます。雇用管理区分が同じかどうかについては、当該区分に属する労働者の従事する職務の内容、転勤を含めた人事異動の幅や頻度等について、同じ区分に属さない労働者との間に客観的・合理的な違いが存在しているかどうかにより判断するものであり、その判断に当たっては形式ではなく、企業の雇用管理の実態に即して行う必要があります。
*2 「相当程度少ない」とは、日本の全労働者に占める女性労働者の割合を考慮して、4割を下回っていることをいいます。4割を下回っているかについては、雇用管理区分ごとに判断するものです。
※ ⑴の下線部は、平成27年11月30日に追加されました。これにより、女性管理職等の中途採用が行いやすくなりました。
Q&A
Q1「支障となっている事情」とは何を指すのでしょうか。
「支障となっている事情」とは、固定的な男女の役割分担意識に根ざすこれまでの企業における雇用管理などが原因となって、雇用の場において男女労働者の間に事実上格差が生じていることをいうものです。この格差は最終的には男女労働者数の差となって表れるものと考えられることから、事情の存否については、女性労働者が男性労働者と比較して相当少ない状況にあるか否かにより判断することが適当です。具体的には、一定の雇用管理区分における職務、役職において女性労働者の割合が4割を下回っているか否かにより判断することとしています。
なお、現に女性労働者の割合が4割を下回っている場合であっても、例えば、事実上生じている格差を解消しようとする意図からではなく、単に男性ではなく女性をその職務に配置したいという意図で女性を配置することは、目的に合致しないため、均等法違反となります。
Q2当社では女性の希望者を対象として、キャリアアップセミナーを開催していま
す。均等法では一方の性別のみを対象とした研修は禁止されているとのことです
が、このようなセミナーも均等法違反となるのでしょうか。
指針において、一つの雇用管理区分における女性労働者の数が同じ雇用管理区分の男性労働者の数と比較して相当程度少ない(4割を下回っている)職務又は役職に従事するために必要とされる能力を付与するための教育訓練については、その対象を女性のみとしても均等法違反とはならないとされています。
したがって、例えば、係長や課長などの役職に占める女性の割合が4割未満の場合であり、キャリアアップセミナーの内容が将来そうした業務を遂行していくのに必要な能力を与えるものであれば、その対象を女性労働者のみとしても均等法には違反しません。
Q3当社では会社全体で女性が少ないため、女性のみの支店を作ることを考えてい
ますが、均等法に違反するのでしょうか。
雇用管理区分ごとに見て、特定の職務又は役職に占める女性の割合が4 割を下回る場合に、ポジティブ・アクションとして、特定の支店に置ける当該職務又は役職の従事者を女性のみとすることは、均等法違反とはなりません。
これに照らせば、特定の支店を女性のみとすることは、雇用管理区分ごとに見て、その支店内の職務又は役職すべてについて女性のみとすることが適法な場合のみ許容されることとなります。
したがって、すでに女性が多くついている職務又は役職について、当該支店において男性を排除して募集・採用、配置を行うことは均等法に反することとなります。
☆ 均等法違反となるか判断が難しい場合には、都道府県労働局雇用環境・均等部(室)(裏表紙参照)あてご相談下さい。
厚生労働省関連ー男女雇用機会均等法・Q&A-5/ 후생노동성관련, 남여고용기회균등법, Q&A 5
⑶ 間接差別の禁止(第7条)
(性別以外の事由を要件とする措置)
第7条
事業主は、募集及び採用並びに前条各号に掲げる事項に関する措置であつて労働者の性別以外の事由を要件とするもののうち、措置の要件を満たす男性及び女性の比率その他の事情を勘案して実質的に性別を理由とする差別となるおそれがある措置として厚生労働省令
で定めるものについては、当該措置の対象となる業務の性質に照らして当該措置の実施が当該業務の遂行上特に必要である場合、事業の運営の状況に照らして当該措置の実施が雇用管理上特に必要である場合その他の合理的な理由がある場合でなければ、これを講じてはならない。
間接差別とは、
① 性別以外の事由を要件とする措置であって、
② 他の性の構成員と比較して、一方の性の構成員に相当程度の不利益を与えるものを、
③ 合理的な理由がないときに講ずることをいいます。
厚生労働省令で定める3つの措置については、合理的な理由がない場合間接差別として禁止されます。
なお、厚生労働省令に定めるもの以外については、均等法違反ではありませんが、裁判において、間接差別として違法と判断される可能性があります。雇用管理に際しては、募集・採用、配置・昇進などに当たり、不必要な要件を課して労働者の能力発揮を阻害していないか改めて見直しましょう。
厚生労働省令で定める措置①
労働者の募集又は採用に当たって、労働者の身長、体重又は体力を要件とするもの
(身長・体重・体力要件を選考基準としていると認められる例)
イ 募集又は採用に当たって、身長・体重・体力要件を満たしている者のみを対象とすること。
ロ 複数ある採用の基準の中に、身長・体重・体力要件が含まれていること。
ハ 身長・体重・体力要件を満たしている者については、採用選考において平均的な評価がなされている場合に採用するが、身長・体重・体力要件を満たしていない者については、特に優秀という評価がなされている場合にのみその対象とすること。
(合理的な理由がない場合として考えられる例)
イ 荷物を運搬する業務を内容とする職務について、当該業務を行うために必要な筋力よ
り強い筋力があることを要件とする場合
ロ 荷物を運搬する業務を内容とする職務ではあるが、運搬等するための設備、機械等が導入されており、通常の作業において筋力を要さない場合*1に、一定以上の筋力があることを要件とする場合
ハ 単なる受付、出入者のチェックのみを行う等防犯を本来の目的としていない警備員の職務について、身長又は体重が一定以上であることを要件とする場合
*1 「通常の作業において筋力を要さない場合」・・・日常業務遂行において筋力を要しない場合をいい、突発的な事故の発生等予期せざる事態が生じた場合に筋力を要する場合は、通常の作業において筋力を要するとは認められません。
厚生労働省令で定める措置②
労働者の募集若しくは採用、昇進又は職種の変更に当たって、転居を伴う転勤に応じることができることを要件とすること
(転勤要件を選考基準としていると認められる例)
イ 募集若しくは採用、昇進又は職種の変更に当たって、転居を伴う転勤に応じることができる者のみを対象とすること又は複数ある採用又は昇進の基準の中に、転勤要件が含まれていること
ロ 職種の変更に当たって、転居を伴う転勤に応じることができる者のみを対象とすること又は複数ある職種の変更の基準の中に、転勤要件が含まれていること。例えば、事業主が新たにコース別雇用管理(事業主が、その雇用する労働者について、労働者の職種、資格等に基づき複数のコースを設定し、コースごとに異なる雇用管理を行うものをいう。)を導入し、その雇用する労働者を総合職と一般職へ区分する場合に、総合職については、転居を伴う転勤に応じることができる者のみ対象とすること又は複数ある職種の変更の基準の中に転勤要件が含まれていること。
(合理的な理由がない場合として考えられる例)
イ 広域にわたり展開する支店、支社等がなく、かつ、支店、支社等を広域にわたり展開する計画等*2もない場合
ロ 広域にわたり展開する支店、支社等はあるが、長期間にわたり、家庭の事情その他の特別な事情により本人が転勤を希望した場合を除き、転居を伴う転勤の実態がほとんどない場合
ハ 広域にわたり展開する支店、支社等はあるが、異なる地域の支店、支社等での勤務経験を積むこと、生産現場の業務を経験すること、地域の特殊性を経験すること等が労働者の能力の育成・確保に特に必要であるとは認められず、かつ、組織運営上*3、転居を伴う転勤を含む人事ローテーションを行うことが特に必要であるとは認められない場合
* 2 「計画等」・・・必ずしも書面になっている必要はなく、取締役会での決定や、企業の代表が定めた方針等も含みますが、ある程度の具体性があることが必要であり、不確実な将来の予測などは含まれません。
* 3 「組織運営上」・・・処遇のためのポストの確保をする必要性がある場合や、不正行為の防止のために異動を行う必要性がある場合などが含まれます。
厚生労働省令で定める措置③
労働者の昇進に当たり、転勤の経験があることを要件とすること
(転勤経験要件を選考基準としていると認められる例)
イ 一定の役職への昇進に当たって、転勤の経験がある者のみを対象とすること。
ロ 複数ある昇進の基準の中に、転勤経験要件が含まれていること。
ハ 転勤の経験がある者については、一定の役職への昇進の選考において平均的な評価がなされている場合に昇進の対象とするが、転勤の経験がない者については、特に優秀という評価がなされている場合にのみその対象とすること。
ニ 転勤の経験がある者についてのみ、昇進のための試験を全部又は一部免除すること。
(合理的な理由がない場合として考えられる例)
イ 広域にわたり展開する支店、支社がある企業において、本社の課長に昇進するに当たって、本社の課長の業務を遂行する上で、異なる地域の支店、支社における勤務経験が特に必要であるとは認められず、かつ、転居を伴う転勤を含む人事ローテーションを行うことが特に必要であるとは認められない場合に、転居を伴う転勤の経験があることを要件とする場合
ロ 特定の支店の管理職としての職務を遂行する上で、異なる支店での経験が特に必要とは認められない場合において、当該支店の管理職に昇進するに際し、異なる支店における勤務経験を要件とする場合
Q&A
Q1合理的な理由がなければ間接差別となる「労働者の募集又は採用に当たって、労働者の身長、体重又は体力を要件とするもの」とは、例えば、「握力○ kg 以上」など、具体的な数値を必要とするのでしょうか。または、「体力的にガッツのある人、体育会系の人」という抽象的な場合も含むのでしょうか。
「労働者の募集又は採用に当たって、労働者の身長、体重又は体力を要件とするもの」は、具体的な数値になっていることまでは必要ありませんが、「~を持てること」「~を登れること」などの具体的なものである必要があり、「体力的にガッツのある人、体育会系の人」のような抽象的なものは該当しません。
Q2募集・採用に当たり、「転居を伴う転勤に応じることができることを要件とすること」を選考基準としていますが、「合理的な理由がないと認められる例」として指針に列挙されている措置に該当しなければ均等法に沿ったものと判断してよいでしょうか。 指針において掲げているものは、あくまで例示ですので、これらに該当しないものについても、個別に合理性の判断が行われる必要があります。
Q3在籍者の状況を見ると、一定の役職について転勤経験者が大半であっても、昇進基準などに転勤経験の有無が含まれていない(転勤経験者と未経験者の取扱いに違いがない)場合は、「昇進に当たり、転勤の経験があることを要件とすること」に該当しないと考えてよいでしょうか。
昇進基準など(明示されているものか否かを問わず)に転勤経験が含まれていないのであれば、一定の役職について転勤経験者が大半を占めている場合でも、「昇進に当たり、転勤の経験があることを要件とすること」には該当しません。
厚生労働省関連ー男女雇用機会均等法・Q&A-4/ 후생노동성관련, 남여고용기회균등법, Q&A 4
雇用形態の変更に関し禁止される措置の例
1 雇用形態の変更に当たって、その対象から男女のいずれかを排除すること。
(排除していると認められる例)
① 有期契約労働者から正社員への雇用形態の変更の対象を男性労働者のみとすること。
② パートタイム労働者から正社員への雇用形態の変更のための試験について、その受験資格を男女のいずれかに対してのみ与えること。
2 雇用形態の変更に当たっての条件を男女で異なるものとすること。
(異なるものとしていると認められる例)
① 女性労働者についてのみ、婚姻又は子を有していることを理由として、有期契約労働者から正社員への雇用形態の変更の対象から排除すること。
② 有期契約労働者から正社員への雇用形態の変更について、男女で異なる勤続年数を条件とすること。
③ パートタイム労働者から正社員への雇用形態の変更について、男女のいずれかについてのみ、一定の国家資格の取得や研修の実績を条件とすること。
④ パートタイム労働者から正社員への雇用形態の変更のための試験について、女性労働者についてのみ上司の推薦を受けることを受験の条件とすること。
3 一定の雇用形態への変更に当たって、能力及び資質の有無等を判断する場合に、その方法や基準について男女で異なる取扱いをすること。
(異なる取扱いをしていると認められる例)
① 有期契約労働者から正社員への雇用形態の変更のための試験の合格基準を男女で異なるものとすること。
② 契約社員から正社員への雇用形態の変更について、男性労働者については、人事考課において平均的な評価がなされている場合には変更の対象とするが、女性労働者については、特に優秀という評価がなされている場合にのみその対象とすること。
③ パートタイム労働者から正社員への雇用形態の変更のための試験の受験について、男女のいずれかに対してのみ奨励すること。
④ 有期契約労働者から正社員への雇用形態の変更のための試験の受験について、男女のいずれかについてのみその一部を免除すること。
4 雇用形態の変更に当たって、男女のいずれかを優先すること。
(優先していると認められる例)
パートタイム労働者から正社員への雇用形態の変更の基準を満たす労働者の中から、男女のいずれかを優先して雇用形態の変更の対象とすること。
5 雇用形態の変更について、男女で異なる取扱いをすること。
(異なる取扱いをしていると認められる例)
① 経営の合理化に際して、女性労働者のみを、正社員から賃金その他の労働条件が劣る有期契約労働者への雇用形態の変更の勧奨の対象とすること。
② 女性労働者についてのみ、一定の年齢に達したこと、婚姻又は子を有していることを理由として、正社員から賃金その他の労働条件が劣るパートタイム労働者への雇用形態の変更の勧奨の対象とすること。
③ 経営の合理化に当たり、正社員の一部をパート労働者とする場合において、正社員である男性労働者は、正社員としてとどまるか、又はパートタイム労働者に雇用形態を変更するかについて選択できるものとするが、正社員である女性労働者については、一律パートタイム労働者への雇用形態の変更を強要すること。
退職の勧奨に関し禁止される措置の例
1 退職の勧奨に当たって、その対象を男女のいずれかのみとすること。
(男女のいずれかのみとしていると認められる例)
女性労働者に対してのみ、経営の合理化のための早期退職制度の利用を働きかけること。
2 退職の勧奨に当たっての条件を男女で異なるものとすること。
(異なるものとしていると認められる例)
① 女性労働者に対してのみ、子を有していることを理由として、退職の勧奨をすること。
② 経営の合理化に際して、既婚の女性労働者に対してのみ、退職の勧奨をすること。
3 退職の勧奨に当たって、能力及び資質の有無等を判断する場合に、その方法や基準について男女で異なる取扱いをすること。
(異なる取扱いをしていると認められる例)
経営合理化に伴い退職勧奨を実施するに当たり、人事考課を考慮する場合において、男性労働者については最低の評価がなされている者のみ退職の勧奨の対象とするが、女性労働者については特に優秀という評価がなされている者以外は退職の勧奨の対象とすること。
4 退職の勧奨に当たって、男女のいずれかを優先すること。
(優先していると認められる例)
① 男性労働者よりも優先して、女性労働者に対して退職の勧奨をすること。
② 退職の勧奨の対象とする年齢を女性労働者については45 歳、男性労働者については50歳とするなど男女で差を設けること。
定年に関し禁止される措置の例
1 定年の定めについて、男女で異なる取扱いをすること。
(異なる取扱いをしていると認められる例)
① 定年年齢の引上げを行うに際して、厚生年金の支給開始年齢に合わせて男女で異なる定年を定めること。
② 定年年齢の引上げを行うに際して、既婚の女性労働者についてのみ、異なる定年を定めること。
解雇に関し禁止される措置の例
1 解雇に当たって、その対象を男女のいずれかのみとすること。
(男女のいずれかのみとしていると認められる例)
経営の合理化に際して、女性のみを解雇の対象とすること。
2 解雇の対象を一定の条件に該当する者とする場合において、当該条件を男女で異なるものとすること。
(異なるものとしていると認められる例)
① 経営の合理化に際して、既婚の女性労働者のみを解雇の対象とすること。
② 一定年齢以上の女性労働者のみを解雇の対象とすること。
3 解雇に当たって、能力及び資質の有無等を判断する場合に、その方法や基準に
ついて男女で異なる取扱いをすること。
(異なる取扱いをしていると認められる例)
経営合理化に伴う解雇に当たり、人事考課を
考慮する場合において、男性労働者については最低の評価がなされている者のみ解雇の対象とするが、女性労働者については特に優秀という評価がなされている者以外は解雇の対象とすること。
4 解雇に当たって、男女のいずれかを優先すること。
(優先していると認められる例)
解雇の基準を満たす労働者の中で、男性労働者よりも優先して女性労働者を解雇の対象とすること。
労働契約の更新(雇止め)に関し禁止される措置の例
1 労働契約の更新に当たって、その対象から男女のいずれかを排除すること。
(排除していると認められる例)
経営の合理化に際して、男性労働者のみを、労働契約の更新の対象とし、女性労働者については、労働契約の更新をしない(いわゆる「雇止め」をする)こと。
2 労働契約の更新に当たっての条件を男女で異なるものとすること。
(異なるものとしていると認められる例)
① 経営の合理化に際して、既婚の女性労働者についてのみ、労働契約の更新をしない(いわゆる「雇止め」をする)こと。
② 女性労働者についてのみ、子を有していることを理由として、労働契約の更新をしない(いわゆる「雇止め」をする)こと。
③ 男女のいずれかについてのみ、労働契約の更新回数の上限を設けること。
3 労働契約の更新に当たって、能力及び資質の有無等を判断する場合に、その方
法や基準について男女で異なる取扱いをすること。
(異なる取扱いをしていると認められる例)
労働契約の更新に当たって、男性労働者については平均的な営業成績である場合には労働契約の更新の対象とするが、女性労働者については、特に営業成績が良い場合にのみその対象とすること。
4 労働契約の更新に当たって男女のいずれかを優先すること。
(優先していると認められる例)
労働契約の更新の基準を満たす労働者の中から、男女のいずれかを優先して労働契約の更新の対象とすること。
Q&A
Q1例えば、3交替制の深夜業がある事業場で、希望する女性以外、女性は3交替
制の職務に就けないとした場合、均等法第6条違反となるのでしょうか。
本件については、一定の職務への配置について、男性は全員を対象とするが、女性は希望者のみを対象にしていることになり、均等法第6条に違反します。
なお、個々の労働者の健康や家庭責任の状況を理由として他の労働者と異なる取扱いをすることは均等法上の問題となるものではありませんが、その場合においても、一方の性の労働者に対してのみ個々の労働者の状況などを勘案することは、均等法違反となります。
Q2当社では「一般職」社員を対象に窓口業務研修を行っています。「一般職」はほとんどが女性ですが、このような研修は、均等法では禁止されているのでしょうか。
均等法では、労働者の教育訓練について、性別を理由として差別的取扱いをすることは禁止されており、研修を行うに当たって、女性労働者のみを対象とすることはこれに該当します。しかし、「一般職」社員を窓口業務研修の対象としているという場合に、「一般職」がほとん
ど女性であるために結果として研修の受講者のほとんどが女性社員となったとしても、均等法違反とはなりません。また、「女性労働者に係る措置に関する特例」(均等法第8条、P.24 ~ 26)に該当する場合は、均等法違反とはなりません。
Q3扶養手当の支給対象者を世帯主としています。このような取扱いは均等法上禁
止されるのでしょうか。社宅の入所者を世帯主とすることはどうでしょうか。また、妻帯者とすることは問題でしょうか。
扶養手当は「賃金」と認められ、労働基準法第4条により女性であることを理由として男性
と差別的取扱いをすることが禁止されています。また、社宅の貸与は均等法上性別を理由とした差別的取扱いが禁止される福利厚生に含まれるものです。次に、扶養手当の支給対象者や社宅の入居者の要件を「世帯主」とすることは、性別を理由とした差別的取扱いをしていることにはなりません。
しかしながら、「世帯主」の決定に当たって、女性について男性に比して不利な条件を課した場合などは、性別を理由とする差別的取扱いに該当します。「世帯主」の決定に当たってそのような条件を課せば、扶養手当については労働基準法第4条に、社宅の貸与については均等法第6条に違反することになります。
また、対象を「妻帯者」とすることは、供与の対象から女性が排除されることとなりますので、扶養手当の支給の対象を「妻帯者」とすれば労働基準法第4条に、社宅の貸与の対象を「妻帯者」とすれば均等法第6条に違反します。
(参考)配偶者手当の在り方の検討に向けて
リーフレット:http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11200000-Roudoukijunkyoku/0000163186.pdf厚生労働省ホームページ 政策について → 分野別の政策一覧 → 雇用・労働 → 労働基準 → 賃金 → 配偶者手当の在り方の検討
Q4女性のみに制服を支給することは禁止されるのでしょうか。
均等法第6条で労働者の性別を理由として、差別的取扱いが禁止される福利厚生の措置は、住宅資金の貸付けのほか、厚生労働省令で定める事項に限られ、その中には制服を支給することは含まれていません。したがって、制服の支給については、均等法上の問題とはなりません。
ただし、一般的に、均等法第6 条の趣旨に照らせば、女性に対してのみ制服を支給することに合理的な理由は認められないと考えられ、制服については、男女とも支給しない、男女とも希望者に支給するなど、男女で同一の取扱いをすることが望ましいといえます。
法違反とならない場合
次に掲げる場合において、指針(「労働者に対する性別を理由とする差別の禁止等に関する規定に定める事項に関し、事業主が適切に対処するための指針」)において掲げる措置を講ずることは、性別にかかわりなく均等な機会を与えていない、又は性別を理由とする差別的取扱いをしているとは解されず、均等法第5条及び第6条の規定に違反することとはなりません。
⑴ 次に掲げる職務に従事する労働者に係る場合
(業務の正常な遂行上、一方の性でなければならない職務に限られます。単に、一方の性に適していると考えられているだけでは該当しません)
① 芸術・芸能の分野における表現の真実性等の要請から男女のいずれかのみに従事させることが必要である職務
② 守衛、警備員等のうち防犯上の要請から男性に従事させることが必要である職務
③ ①及び②に掲げるもののほか、宗教上、風紀上、スポーツにおける競技の性質上その他の業務の性質上男女のいずれかのみに従事させることについてこれらと同程度の必要性があると認められる職務
⑵ 労働基準法第64 条の2若しくは第64 条の3第2項の規定により女性を就業させることができず、又は保健師助産師看護師法第3条の規定により男性を就業させることができないことから、通常の業務を遂行するために、労働者の性別にかかわりなく均等な機会を与え又は均等な取扱いをすることが困難であると認められる場合
⑶ 風俗、風習等の相違により男女のいずれかが能力を発揮し難い海外での勤務が必要な場合その他特別の事情により労働者の性別にかかわりなく均等な機会を与え又は均等な取扱いをすることが困難であると認められる場合
厚生労働省関連ー男女雇用機会均等法・Q&A-3/ 후생노동성관련, 남여고용기회균등법, Q&A 3
昇進に関し禁止される措置の例
1 一定の役職への昇進に当たって、その対象から男女のいずれかを排除すること。
(排除していると認められる例)
① 女性労働者についてのみ、役職への昇進の機会を与えない、又は一定の役職までしか昇進できないものとすること。
② 一定の役職に昇進するための試験について、その受験資格を男女のいずれかに対してのみ与えること。
2 一定の役職への昇進に当たっての条件を男女で異なるものとすること。
(異なるものとしていると認められる例)
① 女性労働者についてのみ、婚姻したこと、一定の年齢に達したこと又は子を有していることを理由として、昇格できない、又は一定の役職までしか昇進できないものとすること。
② 課長への昇進に当たり、女性労働者については課長補佐を経ることを要するものとする一方、男性労働者については課長補佐を経ることなく課長に昇進できるものとすること。
③ 男性労働者については出勤率が一定の率以上である場合又は一定の勤続年数を経た場合に昇格させるが、女性労働者についてはこれらを超える出勤率又は勤続年数がなければ昇格できないものとすること。
④ 一定の役職に昇進するための試験について、女性労働者についてのみ上司の推薦を受けることを受験の条件とすること。
3 一定の役職への昇進に当たって、能力及び資質の有無等を判断する場合に、そ
の方法や基準について男女で異なる取扱いをすること。
(異なる取扱いをしていると認められる例)
① 課長に昇進するための試験の合格基準を、男女で異なるものとすること。
② 男性労働者については人事考課において平均的な評価がなされている場合には昇進させるが、女性労働者については特に優秀という評価がなされている場合にのみその対象とすること。
③ AからEまでの五段階の人事考課制度を設けている場合において、男性労働者については最低の評価であってもCランクとする一方、女性労働者については最高の評価であってもCランクとする運用を行うこと。
④ 一定年齢に達した男性労働者については全員役職に昇進できるように人事考課を行うものとするが、女性労働者についてはそのような取扱いをしないこと。
⑤ 一定の役職に昇進するための試験について、男女のいずれかについてのみその一部を免除
すること。
⑥ 一定の役職に昇進するための試験の受験を男女のいずれかに対してのみ奨励すること。
4 一定の役職への昇進に当たり男女のいずれかを優先すること。
(優先していると認められる例)
一定の役職への昇進基準を満たす労働者が複数いる場合に、男性労働者を優先して昇進させること。
降格に関し禁止される措置の例
1 降格に当たって、その対象を男女のいずれかのみとすること。
(男女のいずれかのみとしていると認められる例)
一定の役職を廃止するに際して、当該役職に就いていた男性労働者については同格の役職に配置転換をするが、女性労働者については降格させること。
2 降格に当たっての条件を男女で異なるものとすること。
(異なるものとしていると認められる例)
女性労働者についてのみ、婚姻又は子を有していることを理由として、降格の対象とすること。
3 降格に当たって、能力及び資質の有無等を判断する場合に、その方法や基準について男女で異なる取扱いをすること。
(異なる取扱いをしていると認められる例)
① 営業成績が悪い者について降格の対象とす
る旨の方針を定めている場合に、男性労働者については営業成績が最低の者のみを降格の対象とするが、女性労働者については営業成績が平均以下の者は降格の対象とすること。
② 一定の役職を廃止するに際して、降格の対象となる労働者を選定するに当たり、人事考課を考慮する場合に、男性労働者については最低の評価がなされている者のみ降格の対象とするが、女性労働者については特に優秀という評価がなされている者以外は降格の対象とすること。
4 降格に当たって、男女のいずれかを優先すること。
(優先していると認められる例)
一定の役職を廃止するに際して、降格の対象となる労働者を選定するに当たって、男性労働者よりも優先して、女性労働者を降格の対象とすること。
教育訓練に関し禁止される措置の例
1 教育訓練に当たって、その対象から男女のいずれかを排除すること。
(排除していると認められる例)
① 一定の職務に従事する者を対象とする教育訓練を行うに当たって、その対象を男女のいずれかのみとすること。
② 工場実習や海外留学による研修を行うに当たって、その対象を男性労働者のみとすること。
③ 接遇訓練を行うに当たって、その対象を女性労働者のみとすること。
2 教育訓練を行うに当たっての条件を男女で異なるものとすること。
(異なるものとしていると認められる例)
① 女性労働者についてのみ、婚姻したこと、一定の年齢に達したこと又は子を有していることを理由として、将来従事する可能性のある職務に必要な知識を身につけるための教育訓練の対象から排除すること。
② 教育訓練の対象者について、男女で異なる勤続年数を条件とすること。
③ 女性労働者についてのみ、上司の推薦がなければ教育訓練の対象としないこと。
④ 男性労働者については全員を教育訓練の対象とするが、女性労働者については希望者のみを対象とすること。
3 教育訓練の内容について、男女で異なる取扱いをすること。
(異なる取扱いをしていると認められる例)
教育訓練の期間や課程を男女で異なるものとすること。
福利厚生に関し禁止される措置の例
1 福利厚生の措置の実施に当たって、その対象から男女のいずれかを排除すること。
(排除していると認められる例)
男性労働者についてのみ、社宅を貸与すること。
2 福利厚生の措置の実施に当たっての条件を男女で異なるものとすること。
(異なるものとしていると認められる例)
① 女性労働者についてのみ、婚姻を理由として、社宅の貸与の対象から排除すること。
② 住宅資金の貸付けに当たって、女性労働者に対してのみ、配偶者の所得額に関する資料の提出を求めること。
③ 社宅の貸与に当たり、世帯主であることを条件とする場合において、男性労働者については本人の申請のみで貸与するが、女性労働者に対しては本人の申請に加え、住民票の提出を求め、又は配偶者に一定以上の所得がないことを条件とすること。
職種の変更に関し禁止される措置の例
1 職種の変更に当たって、その対象から男女のいずれかを排除すること。
(排除していると認められる例)
① 「一般職」から「総合職」への職種の変更について、その対象を男女のいずれかのみとすること。
② 「総合職」から「一般職」への職種の変更について、制度上は男女双方を対象としているが、男性労働者については職種の変更を認めない運用を行うこと。
③ 「一般職」から「総合職」への職種の変更のための試験について、その受験資格を男女のいずれかに対してのみ与えること。
④ 「一般職」の男性労働者については、いわゆる「準総合職」及び「総合職」への職種の変更の対象とするが、「一般職」の女性労働者については、「準総合職」のみを職種の変更の対象とすること。
2 職種の変更に当たっての条件を男女で異なるものとすること。
(異なるものとしていると認められる例)
① 女性労働者についてのみ、婚姻又は子を有していることを理由として、「一般職」から「総合職」への職種の変更の対象から排除すること。
② 「一般職」から「総合職」への職種の変更について、男女で異なる勤続年数を条件とすること。
③ 「一般職」から「総合職」への職種の変更について、男女のいずれかについてのみ、一定の国家資格の取得、研修の実績又は一定の試験に合格することを条件とすること。
④ 「一般職」から「総合職」への職種の変更のための試験について、女性労働者についてのみ上司の推薦を受けることを受験の条件とすること。
3 一定の職種への変更に当たって、能力及び資質の有無等を判断する場合に、その方法や基準について男女で異なる取扱いをすること。
(異なる取扱いをしていると認められる例)
① 「一般職」から「総合職」への職種の変更のための試験の合格基準を男女で異なるものとすること。
② 男性労働者については人事考課において平均的な評価がなされている場合には「一般職」から「総合職」への職種の変更の対象とするが、女性労働者については特に優秀という評価がなされている場合にのみその対象とすること。
③ 「一般職」から「総合職」への職種の変更ための試験について、その受験を男女のいずれかに対してのみ奨励すること。
④ 「一般職」から「総合職」への職種の変更のための試験について、男女いずれかについてのみその一部を免除すること。
4 職種の変更に当たって、男女のいずれかを優先すること。
(優先していると認められる例)
「一般職」から「総合職」への職種の変更の基準を満たす労働者の中から男女のいずれかを
優先して職種の変更の対象とすること。
5 職種の変更について男女で異なる取扱いをすること。
(異なる取扱いをしていると認められる例)
① 経営の合理化に際して、女性労働者のみを、研究職から賃金その他の労働条件が劣る一般事務職への職種の変更の対象とすること。
② 女性労働者についてのみ、年齢を理由として、アナウンサー等の専門職から事務職への職種の変更の対象とすること。
厚生労働省関連ー男女雇用機会均等法・Q&A-2/ 후생노동성관련, 남여고용기회균등법, Q&A 2
⑵ 配置・昇進・降格・教育訓練等についての性別を理由とする差別の禁止(第6条)
第 6条
事業主は、次に掲げる事項について、労働者の性別を理由として、差別的取扱いをしてはならない。
一 労働者の配置(業務の配分及び権限の付与を含む。)、昇進、降格及び教育訓練
二 住宅資金の貸付けその他これに準ずる福利厚生の措置であつて厚生労働省令で定めるもの(※)
三 労働者の職種及び雇用形態の変更
四 退職の勧奨、定年及び解雇並びに労働契約の更新
配置・昇進・降格・教育訓練、福利厚生、職種・雇用形態の変更、退職勧奨・定年・解雇・労働契約の更新は、労働者の待遇や労働条件の中でも重要なものです。そのため、事業主は、これらについて労働者の性別を理由として、差別的取扱いをしてはならないとされています。
これらについても、禁止される差別的取扱いの具体的内容を指針(「労働者に対する性別を理由とする差別の禁止等に関する規定に定める事項に関し、事業主が適切に対処するための指針」)に示していますので、これを参考に、適切に対処してください。
※ 福利厚生の措置の具体的な範囲は厚生労働省令で以下のように定められています。
なお、賃金は福利厚生の措置ではありません。賃金については、労働基準法第4条で男女の差別的取扱いを禁止しています。
1 生活資金、教育資金その他労働者の福祉の増進のために行われる資金の貸付け
2 労働者の福祉の増進のために定期的に行われる金銭の給付
<生命保険料の一部補助、子どもの教育のための奨学金の支給など>
3 労働者の資産形成のために行われる金銭の給付
<財形貯蓄に対する奨励金の支給など>
4 住宅の貸与
配置に関し禁止される措置の例
1 一定の職務への配置に当たって、その対象から男女のいずれかを排除すること。
(排除していると認められる例)
① 営業の職務、秘書の職務、企画立案業務を内容とする職務、定型的な事務処理業務を内容とする職務、海外で勤務する職務等一定の職務への配置に当たって、その対象を男女のいずれかのみとすること。
② 時間外労働や深夜業の多い職務への配置に当たって、その対象を男性労働者のみとすること。
③ 派遣元事業主が、一定の労働者派遣契約に基づく労働者派遣について、その対象を男女のいずれかのみとすること。
④ 一定の職務への配置の資格についての試験について、その受験資格を男女のいずれかに対してのみ与えること。
2 一定の職務への配置に当たっての条件を男女で異なるものとすること。
(異なるものとしていると認められる例)
① 女性労働者についてのみ、婚姻したこと、一定の年齢に達したこと又は子を有していることを理由として、企画立案業務を内容とする職務への配置の対象から排除すること。
② 男性労働者については、一定数の支店の勤務を経た場合に本社の経営企画部門に配置するが、女性労働者については、当該一定数を上回る数の支店の勤務を経なければ配置しないこと。
③ 一定の職務への配置に当たって、女性労働者についてのみ、一定の国家資格の取得や研修の実績を条件とすること。
④ 営業部門について、男性労働者については全員配置の対象とするが、女性労働者については希望者のみを配置の対象とすること。
3 一定の職務への配置に当たって、能力及び資質の有無等を判断する場合に、そ
の方法や基準について男女で異なる取扱いをすること。
(異なる取扱いをしていると認められる例)
① 一定の職務への配置に当たり、人事考課を考慮する場合において、男性労働者は平均的な評価がなされている場合にはその対象とするが、女性労働者は特に優秀という評価がなされている場合にのみその対象とすること。
② 一定の職務への配置の資格についての試験の合格基準を、男女で異なるものとすること。
③ 一定の職務への配置の資格についての試験の受験を男女のいずれかに対してのみ奨励すること。
4 一定の職務への配置に当たって、男女のいずれかを優先すること。
(優先していると認められる例)
営業部門への配置の基準を満たす労働者が複数いる場合に、男性労働者を優先して配置すること。
5 配置における業務の配分に当たって、男女で異なる取扱いをすること。
(異なる取扱いをしていると認められる例)
① 営業部門において、男性労働者には外勤業務に従事させるが、女性労働者については当該業務から排除し、内勤業務のみに従事させること。
② 男性労働者には通常の業務のみに従事させるが、女性労働者については通常の業務に加え、会議の庶務、お茶くみ、そうじ当番等の雑務を行わせること。
6 配置における権限の付与に当たって、男女で異なる取扱いをすること。
(異なる取扱いをしていると認められる例)
① 男性労働者には一定金額まで自己の責任で買い付けできる権限を与えるが、女性労働者には当該金額よりも低い金額までの権限しか与えないこと。
② 営業部門において、男性労働者には新規に顧客の開拓や商品の提案をする権限を与えるが、女性労働者にはこれらの権限を与えず、既存の顧客や商品の販売をする権限しか与えないこと。
7 配置転換に当たって、男女で異なる取扱いをすること。
(異なる取扱いをしていると認められる例)
① 経営の合理化に際し、女性労働者についてのみ出向の対象とすること。
② 一定の年齢以上の女性労働者のみを出向の対象とすること。
③ 女性労働者についてのみ、婚姻又は子を有していることを理由として、通勤が不便な事業場に配置転換すること。
④ 工場を閉鎖する場合において、男性労働者については近隣の工場に配置するが、女性労働者については通勤が不便な遠隔地の工場に配置すること。
⑤ 男性労働者については、複数の部門に配置するが、女性労働者については当初に配置した部門から他部門に配置転換しないこと。
厚生労働省関連ー男女雇用機会均等法・Q&A-1/ 후생노동성관련, 남여고용기회균등법, Q&A 1
2 雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等
均等法の趣旨は、労働者が、性別にかかわらず、雇用の分野において均等な機会を得、その意欲と能力に応じて均等な待遇を受けられるようにすること、企業の制度や方針において、労働者が性別を理由として差別を受けることをなくしていくことにあります。
具体的には、労働者が「女性(又は男性)だから」というだけの理由で、あるいは「一般的又は平均的に女性(又は男性)はこうだから」といった理由で、男女異なる取扱いをしないことが求められます。
均等法では、募集・採用、配置・昇進・降格・教育訓練、福利厚生、職種・雇用形態の変更、退職の勧奨・定年・解雇・労働契約の更新の雇用管理の各ステージにおける性別を理由とする差別を禁止しています。
具体的な内容は、以下のとおりです。
⑴ 募集・採用についての性別を理由とする差別の禁止(第5条)
(性別を理由とする差別の禁止)
第 5条 事業主は、労働者の募集及び採用について、その性別にかかわりなく均等な機会を与えなければならない。
労働者が性別により差別されることなく、また、母性を尊重されつつ、その能力を十分発揮することができる雇用環境の整備のためには、募集・採用という職業生活の入口において男女の均等な機会が確保されることが大変重要です。そのため、事業主は、労働者の募集・採用について、性別にかかわりなく均等な機会を与えなければならないとされています。
募集・採用については、禁止される差別の内容を具体的に示した指針(「労働者に対する性別を理由とする差別の禁止等に関する規定に定める事項に関し、事業主が適切に対処するための指針」)を策定していますので、これを参考に、適切に対処してください。
募集・採用に関し禁止される措置の例
1 募集又は採用に当たって、その対象から男女のいずれかを排除すること。
(排除していると認められる例)
① 一定の職種(いわゆる「総合職」、「一般職」等を含む。)や一定の雇用形態(いわゆる「正社員」、「パートタイム労働者」等を含む。)について、募集又は採用の対象を男女のいずれかのみとすること。
② 募集又は採用に当たって、男女のいずれかを表す職種の名称を用い(対象を男女のいずれかのみとしないことが明らかである場合を除く。)、又は「男性歓迎」、「女性向きの職種」等の表示を行うこと。
③ 男女をともに募集の対象としているにもかかわらず、応募の受付や採用の対象を男女のいずれかのみとすること。
④ 派遣元事業主が、一定の職種について派遣
労働者になろうとする者を登録させるに当たって、その対象を男女のいずれかのみとすること。
2 募集又は採用に当たっての条件を男女で異なるものとすること。
(異なるものとしていると認められる例) 募集又は採用に当たって、女性についてのみ、未婚者であること、子を有していないこと、自宅から通勤すること等を条件とし、又はこれらの条件を満たす者を優先すること。
3 採用選考において、能力及び資質の有無等を判断する場合に、その方法や基準について男女で異なる取扱いをすること。
(異なる取扱いをしていると認められる例)
① 募集又は採用に当たって実施する筆記試験や面接試験の合格基準を男女で異なるものとすること。
② 男女で異なる採用試験を実施すること。
③ 男女のいずれかについてのみ、採用試験を実施すること。
④ 採用面接に際して、結婚の予定の有無、子供が生まれた場合の継続就労の希望の有無等一定の事項について女性に対してのみ質問すること。
4 募集又は採用に当たって男女のいずれかを優先すること。
(男女のいずれかを優先していると認められる例)
① 採用選考に当たって、採用の基準を満たす者の中から男女のいずれかを優先して採用すること。
② 男女別の採用予定人数を設定し、これを明示して、募集すること。又は、設定した人数従って採用すること。
③ 男女のいずれかについて採用する最低の人数を設定して募集すること。
④ 男性の選考を終了した後で女性を選考すること。
5 求人の内容の説明等募集又は採用に係る情報の提供について、男女で異なる取扱いをすること。
(異なる取扱いをしていると認められる例)
① 会社の概要等に関する資料を送付する対象を男女のいずれかのみとし、又は資料の内容、送付時期等を男女で異なるものとすること。
② 求人の内容等に関する説明会を実施するに当たって、その対象を男女のいずれかのみとし、又は説明会を実施する時期を男女で異なるものとすること。
Q&A
1.企業は必ず男性と女性を採用しなければならないのでしょうか。
※ 均等法第5条は、雇用機会の付与、募集・採用条件、求人情報の提供、採用選考、採用決定などのすべての段階において男女異なる取扱いをしないことを求めています。したがって、個々の労働者の職務に対する意欲、能力、適性を公平、公正に判断した結果として、男性のみまたは女性のみを採用することになった場合には、均等法違反となるものではなく、企業は必ず男性と女性を採用しなければならないということではありません。
2.当社の女性経理職員が退職しました。そこで経理部に職員を1人募集したいのですが、今まで女性がやっていた仕事なので、後任も女性にしたいと考えています。このような募集は均等法違反なのでしょうか。
※ 募集に当たって性別を理由として、その対象を女性又は男性のみとすることは、均等法に違反します。「今まで女性(男性)がやっていた仕事だから」とか「女性(男性)向きの仕事だから」といった先入観や固定的な男女の役割分担意識に基づき女性(男性)のみを募集・採用の対象とすることは、職域の固定化や男女の仕事を分離することにつながります。性別によるのではなく、「仕事の内容」、「求める能力・適性」、「労働条件」などをはっきり示して募集・採用してください。
3.求人誌に募集広告を出すに当たって、「男性の長髪不可」と記載することはできるでしょうか。
※ 募集に当たって男女で異なる条件を付けることは、均等法に違反します。ただし、男女ともに就労時に清潔な服装や身だしなみが必要とされる業種・業態であって、服装や化粧といった社会一般に認められている男女の身なりや身だしなみのあり方の違いに照らして、合理的な理由があり、社会通念上許容されると思われる範囲内で男女異なる取扱いをしている場合は、法違反とはなりません。
2019年11月3日日曜日
厚生労働省関連ー男女雇用機会均等法・労働基準法(女性関係)のポイント・1総則 / 후생노동성관련, 남여고용기회균등법, 총칙
労働基準法(女性関係)のポイント男女同一賃金の原則(第4条)
・ 賃金について、女性であることを理由とした男性との差別的取扱いを禁止しています。
産前産後休業その他の母性保護措置
妊産婦等に係る危険有害業務の就業制限(第64 条の3)
・ 妊産婦を妊娠、出産、哺育などに有害な一定の業務に就かせることを制限してい
ます。この規定は、厚生労働省令で定めた妊産婦以外の女性についても準用されま
す。
産前産後休業等(第65 条)
・ 産前6 週間(多胎妊娠の場合は14 週間)以内の休業について女性が請求した場
合及び産後8 週間については原則として就業を制限しています。また妊娠中の女性
が請求した場合には軽易な業務への転換が必要です。
妊産婦に対する変形労働時間制の適用及び時間外・休日労働、深夜業の制限(第66 条)
・ 妊産婦が請求した場合には、変形労働時間制の適用並びに時間外労働、休日労働
及び深夜業を制限しています。
育児時間(第67 条)
・ 生後満1 年に達しない生児を育てる女性は、1日2回各々少なくとも30 分の育
児時間を請求することができます。
坑内労働の就業制限等女性労働者に対する措置
坑内業務の就業制限(第64 条の2)
・ 妊婦及び産婦(申し出た者に限る)は、全ての坑内業務、妊産婦以外の女性は一
定の坑内業務について、女性の就業を制限しています。
生理日の就業が困難な女性に対する措置(第68 条)
・ 生理日の就業が著しく困難な女性が休暇を請求した場合には、生理日の就業を制
限しています。
男女雇用機会均等法のあらまし
1 総 則(第1条、第2条)
雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律
(目的)
第 1条 この法律は、法の下の平等を保障する日本国憲法の理念にのつとり雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保を図るとともに、女性労働者の就業に関して妊娠中及び出産後の健康の確保を図る等の措置を推進することを目的とする。
(基本的理念)
第 2条 この法律においては、労働者が性別により差別されることなく、また、女性労働者にあつては母性を尊重されつつ、充実した職業生活を営むことができるようにすることをその基本的理念とする。
2 事業主並びに国及び地方公共団体は、前項に規定する基本的理念に従つて、労働者の職業生活の充実が図られるように努めなければならない。
男女雇用機会均等法(以下「均等法」)の目的と基本的理念をそれぞれ、第1条と第2条において明らかにしています。
「労働者」とは、雇用されて働く者をいい、求職者を含みます。
「事業主」とは、事業の経営の主体をいい、個人企業にあってはその企業主が、会社その他の法人組織の場合にはその法人そのものが事業主になります。また、事業主以外の従業者が自らの裁量で行った行為についても、事業主から委任された権限の範囲内で行ったものであれば事業主のために行った行為と考えられるので、事業主はその行為につき法に基づく責任を有することになります。
事業主の具体的義務の内容は、法第2章(P.7 ~ 50)に規定されていますが、事業主はそれ以外の事項についてもこの基本的理念に従い、労働者の職業生活の充実のために努力することが求められます。
厚生労働省関連ー男女雇用機会均等法・男女雇用機会均等法のポイント / 후생노동성관련, 남여고용기회균등법
雇用における男女の均等な機会と待遇の確保のために
性別を理由とする差別の禁止
雇用管理の各ステージにおける性別を理由とする差別の禁止(第5条・第6条)
・ 募集・採用、配置(業務の配分及び権限の付与を含む)・昇進・降格・教育訓練、
一定範囲の福利厚生、職種・雇用形態の変更、退職の勧奨・定年・解雇・労働契約
の更新について、性別を理由とする差別を禁止しています。
間接差別の禁止(第7条)
・ 労働者の性別以外の事由を要件とする措置のうち、実質的に性別を理由とする差
別となるおそれがあるものとして、厚生労働省令で定める措置について、合理的な
理由がない場合、これを講ずることを禁止しています。
【厚生労働省令で定める措置】
○ 労働者の募集又は採用に当たって、労働者の身長、体重又は体力を要件とする
こと。
○ 労働者の募集若しくは採用、昇進又は職種の変更に当たって、転居を伴う転勤
に応じることができることを要件とすること。
○ 労働者の昇進に当たり、転勤の経験があることを要件とすること。
※ なお、省令で定めるもの以外については、均等法違反ではありませんが、裁判に
おいて、間接差別として違法と判断される可能性もあります。
女性労働者に係る措置に関する特例(第8条)
・ 性別による差別的取扱いを原則として禁止する一方、雇用の場で男女労働者間に
事実上生じている格差を解消することを目的として行う、女性のみを対象とした取
扱いや女性を優遇する取扱いは違法でない旨を規定しています。
婚姻、妊娠・出産等を理由とする不利益取扱いの禁止等(第9条)
・ 婚姻、妊娠、出産を退職理由とする定めを禁止しています。
・ 婚姻を理由とする解雇を禁止しています。
・ 妊娠、出産、産休取得、その他厚生労働省令で定める理由による解雇その他不利
益取扱いを禁止しています。
・ 妊娠中・産後1年以内の解雇を、事業主が、妊娠等が理由でないことを証明しな
い限り無効としています。
セクシュアルハラスメント及び妊娠・出産等に関するハラスメント対策
セクシュアルハラスメント対策(第11条)
・ 職場におけるセクシュアルハラスメント防止のために、雇用管理上必要な措置を
事業主に義務付けています。
妊娠・出産等に関するハラスメント対策(第11条の2)
・ 職場における妊娠・出産等に関するハラスメント防止のために、雇用管理上必要
な措置を事業主に義務付けています。
母性健康管理措置(第12条・第13条)
・ 妊娠中・出産後の女性労働者が保健指導・健康診査を受けるための時間の確保、
当該指導又は診査に基づく指導事項を守ることができるようにするため必要な措置
の実施を事業主に義務付けています。
派遣先に対する男女雇用機会均等法の適用(労働者派遣法第47条の2)
・ 妊娠・出産等を理由とする不利益取扱いの禁止、セクシュアルハラスメント対策、P.44 参照
妊娠、出産等に関するハラスメント対策及び母性健康管理措置についての規定は派
遣先事業主にも適用されます。
深夜業に従事する女性労働者に対する措置(均等則第13条)
事業主に対する国の援助(第14条)
・ 男女労働者間に事実上生じている格差を解消するための自主的かつ積極的な取組
(ポジティブ・アクション)を行う事業主に対し、国は相談その他の援助を実施し
ています。
労働者と事業主との間に紛争が生じた場合の救済措置
企業内における苦情の自主的解決(第15 条)
労働局長による紛争解決の援助(第17 条)
機会均等調停会議による調停(第18 条~第27 条)
法施行のために必要がある場合の指導等
厚生労働大臣又は労働局長による報告徴収、助言・指導・勧告(第29 条)
厚生労働大臣の勧告に従わない場合の企業名公表(第30 条)
報告徴収に応じない又は虚偽の報告をした場合、20 万円以下の過料(第33 条)
コース等で区分した雇用管理を行うに当たって事業主が留意すべき事項に関する指針
2019年10月29日火曜日
厚生労働省における障害を理由とする差別の解消の推進(各事業者向けガイドラインについて)-3
第3 障害を理由とする不当な差別的取扱い及び合理的配慮の例
(1)不当な差別的取扱いと考えられる例
事業者が福祉サービスを提供するに際して、次のような取扱いをすること
は「不当な差別的取扱い」となるおそれがあります。
ここに記載する事例はあくまで例示であり、これに限られるものではありま
せん。また、客観的にみて正当な理由が存在する場合(第2(1)②参照)は、
不当な差別的取扱いに該当しない場合があることにご留意ください。
・ 人的体制、設備体制が整っており、対応可能であるにもかかわらず、医
療的ケアの必要な障害者、重度の障害者、多動の障害者の福祉サービス
の利用を拒否すること
・ 身体障害者補助犬の同伴を拒否すること
○サービスの利用を制限すること(場所・時間帯などの制限)
・ 正当な理由なく、対応を後回しにすること、サービス提供時間を変更又
は限定すること
・ 正当な理由なく、他の者とは別室での対応を行うなど、サービス提供場
所を限定すること
・ 正当な理由なく、サービス事業所選択の自由を制限すること(障害当事
者が望まないサービス事業者をすすめるなど)
・ サービスの利用に必要な情報提供を行わないこと
○サービスの利用に際し条件を付すこと(障害のない者には付さない条件を付
すこと)
・ 保護者や支援者・介助者の同伴をサービスの利用条件とすること
・ サービスの利用に当たって、他の利用者と異なる手順を課すこと(仮
利用期間を設ける、他の利用者の同意を求めるなど)
○サービスの利用・提供に当たって、他の者とは異なる取扱いをすること
・ 正当な理由なく、行事、娯楽等への参加を制限すること
・ 正当な理由なく、年齢相当のクラスに所属させないこと
・ 本人を無視して、支援者・介助者や付添者のみに話しかけること
・ 正当な理由なく、本人の意思又はその家族等の意思(障害のある方の
意思を確認することが困難な場合に限る。)に反して、福祉サービス(施
設への入所、通所、その他サービスなど)を行うこと
■ 身体障害者補助犬とは
「身体障害者補助犬」は、目や耳や手足に障害のある方の生活をお手伝い
する、「盲導犬」・「聴導犬」・「介助犬」のことです。
身体障害者補助犬法に基づき認定された犬で、特別な訓練を受けています。
補助犬の種類
○盲導犬
目の見えない人、見えにくい人が街なかを安全に歩けるようにサポートします。障
害物を避けたり、立ち止まって曲がり角を教えたりします。ハーネス(胴輪)をつけて
います。
○介助犬
手や足に障害のある人の日常の生活動作をサポートします。物を拾って渡したり、
指示したものを持ってきたり、着脱衣の介助などを行ないます。“介助犬”と書かれ
た表示をつけています。
○聴導犬
音が聞えない、聞こえにくい人に、生活の中の必要な音を知らせます。玄関のチャ
イム音・FAX 着信音・赤ちゃんの泣き声などを聞き分けて教えます。“聴導犬”と書
かれた表示をつけています。
補助犬の同伴については、「身体障害者補助犬法」で、人が立ち入ることのできるさ
まざまな場所で受け入れるよう義務づけられています。「犬だから」という理由で受け
入れを拒否しないでください。
補助犬の同伴を受け入れる義務がある場所
・ 国や地方公共団体などが管理する公共施設・ 公共交通機関(電車、バス、タクシー
など)
・ 不特定かつ多数の人が利用する民間施設-商業施設、飲食店、病院、ホテルなど
・ 事務所(職場)-国や地方公共団体などの事務所-従業員50 人以上の民間企業
補助犬の同伴を受け入れる努力をする必要がある場所
・ 事務所(職場)-従業員50 人未満の民間企業
・ 民間住宅
補助犬の受け入れ施設の方へ
●補助犬は、ユーザーの指示に従い待機することができるので、特別な設備は必要あり
ません。
●補助犬の同伴を受け入れる際に他のお客様から苦情がある場合は、「身体障害者補助
犬法」で受け入れ義務があること、補助犬の行動や健康の管理はユーザーが責任をも
って行なっていることを説明し、理解を求めてください。
●補助犬が通路をふさいだり、周りのにおいを嗅ぎ回ったり、その他、何か困った行動
をしている場合は、そのことを補助犬ユーザーにはっきり伝えてください。
●補助犬を同伴していても、補助犬ユーザーへの援助が必要な場合があります。補助犬
ユーザーが困っている様子を見かけたら、まずは声をかけたり、筆談をしたりコミュ
ニケーションをとってください。(2)合理的配慮と考えられる例
事業者は、個々の場面において、障害者から現に社会的障壁の除去を必要
としている旨の意思の表明があった場合には、次のような合理的配慮を提供
することが求められています。合理的配慮を提供する際には、障害者の性別、
年齢、状態等に十分に配慮することが必要です。
ここに記載する事例はあくまで例示であり、これに限られるものではあり
ません。また、事業者に強制する性格のものではなく、ここに記載された事
例であっても、事業者の事業規模等によっては過重な負担となる可能性があ
るため、事業者においては、法、基本方針及び本指針を踏まえ、具体的場面
や状況に応じて柔軟に対応することが期待されます。
なお、合理的配慮の提供に当たっては、個別の支援計画(サービス等利用
計画、ケアプラン等)に位置付けるなどの取組も望まれます。
○基準・手順の柔軟な変更
・ 障害の特性に応じた休憩時間等の調整などのルール、慣行を柔軟に変
更すること
○物理的環境への配慮
・ 施設内の段差にスロープを渡すこと
・ エレベータ-がない施設の上下階に移動する際、マンパワーで移動を
サポートすること
・ 場所を1階に移す、トイレに近い場所にする等の配慮をすること
○補助器具・サービスの提供
<情報提供・利用手続きについての配慮や工夫>
・ 説明文書の点字版、拡大文字版、テキストデータ、音声データ(コー
ド化したものを含む)の提供や必要に応じて代読・代筆を行うこと
・ 手話、要約筆記、筆談、図解、ふりがな付文書を使用するなど、本人が
希望する方法でわかりやすい説明を行うこと
・ 文書を読み上げたり、口頭による丁寧な説明を行うこと
・ 電子メール、ホームページ、ファックスなど多様な媒体で情報提供、利
用受付を行うこと
<建物や設備についての配慮や工夫>
・ 電光表示板、磁気誘導ループなどの補聴装置の設置、点字サイン付き手
すりの設置、音声ガイドの設置を行うこと
・ 色の組み合わせによる見にくさを解消するため、標示物や案内図等の配
色を工夫すること
・ トイレ、作業室など部屋の種類や、その方向を示す絵記号や色別の表
示などを設けること
・ パニック等を起こした際に静かに休憩できる場所を設けること
<職員などとのコミュニケーションや情報のやりとり、サービス提供につい
ての配慮や工夫>
・ 館内放送を文字化したり、電光表示板で表示したりすること
・ 必要に応じて、手話通訳や要約筆記者を配置すること
・ 口話が読めるようマスクを外して話をすること
・ ICT(コンピューター等の情報通信技術)を活用したコミュニケーショ
ン機器(データを点字に変換して表示する、音声を文字変換する、表
示された絵などを選択することができる機器など)を設置すること
※ 第2(2)①合理的配慮の基本的な考え方<環境整備との関係>において
も触れましたが、不特定多数の障害者を主な対象として行われる事前の改
善措置については、合理的配慮を的確に行うための環境の整備として実施
に努めることとされています。そのうち、バリアフリーに関しては下記の
ような整備が一例として考えられます。
・施設内の段差を解消すること、スロープを設置すること
・トイレや浴室をバリアフリー化・オストメイト対応にすること
・床をすべりにくくすること
・階段や表示を見やすく明瞭にすること
・車椅子で利用しやすい高さにカウンターを改善すること
(3)障害特性に応じた対応について
障害者と接する際には、それぞれの障害特性に応じた対応が求められます。
以下に、代表的な障害特性と対応時に配慮すべき事項について簡単にまとめて
います。
このほか、障害児については、成人の障害者とは異なる支援の必要性があり
ます。子どもは成長、発達の途上にあり、乳幼児期の段階から、個々の子ども
の発達の段階に応じて一人ひとりの個性と能力に応じた丁寧に配慮された支援
を行う発達支援が必要です。また、子どもを養育する家族を含めた丁寧かつ早
い段階からの家族支援が必要です。特に、保護者が子どもの障害を知った時の
気持ちを出発点とし、障害を理解する態度を持つようになるまでの過程におい
ては、関係者の十分な配慮と支援が必要です。
また、医療的ケアを要する障害児については、配慮を要する程度に個人差が
あることに留意し、医療機関等と連携を図りながら、個々の状態や必要な支援
を丁寧に確認し、適切な支援を行うことが必要です。
視覚障害(視力障害・視野障害)
〔主な特性〕
・先天性で受障される方のほか、最近は糖尿病性網膜症などで受障される人も多く、
高齢者では、緑内障や黄斑部変性症が多い
・視力障害:視覚的な情報を全く得られない又はほとんど得られない人と、文字の拡
大や視覚補助具等を使用し保有する視力を活用できる人に大きく分けられる
(全盲、弱視といわれることもある)
* 視力をほとんど活用できない人の場合、音声、触覚、嗅覚など、視覚以外の情報
を手がかりに周囲の状況を把握している
* 文字の読みとりは、点字に加えて最近では画面上の文字情報を読み上げるソフト
を用いてパソコンで行うこともある(点字の読み書きができる人ばかりではない)
* 視力をある程度活用できる人の場合は、補助具を使用したり文字を拡大したり近
づいて見るなどの様々な工夫をして情報を得ている
厚生労働省における障害を理由とする差別の解消の推進(各事業者向けガイドラインについて)-2
第2 障害を理由とする不当な差別的取扱い及び合理的配慮の基本的な考え方
(1)不当な差別的取扱い
①不当な差別的取扱いの基本的考え方
法は、障害者に対して、正当な理由なく、障害を理由として、サービス等
の提供を拒否する又は提供に当たって場所・時間帯などを制限する、障害者
でない者に対しては付さない条件を付するなどにより、障害者の権利利益を
侵害することを禁止しています。
なお、障害者の事実上の平等を促進し、又は達成するために必要な特別の措
置は、不当な差別的取扱いではないことに留意する必要があります。
したがって、障害者を障害者でない者と比べて優遇する取扱い(いわゆる積
極的改善措置)、法に規定された障害者に対する合理的配慮の提供による障害
者でない者との異なる取扱いや、合理的配慮を提供するために必要な範囲で、
プライバシーに配慮しつつ障害者に障害の状況等を確認することは、不当な差
別的取扱いには当たりません。
不当な差別的取扱いとは、正当な理由なく、障害者を、問題となる事務・事
業について本質的に関係する諸事情が同じ障害者でない者より不利に扱うこ
とです。
②正当な理由の判断の視点
不当な差別的取扱いであるのかどうかの判断には、その取扱いを行う正当
な理由の有無が重要となります。正当な理由に相当するのは、障害者に対し
て、障害を理由として、財・サービスや各種機会の提供を拒否するなどの取
扱いが客観的に見て正当な目的の下に行われたものであり、その目的に照ら
してやむを得ないと言える場合です。
正当な理由に相当するか否かについて、事業者は、個別の事案ごとに、障害
者、事業者、第三者の権利利益(例:安全の確保、財産の保全、事業の目的・
内容・機能の維持、損害発生の防止など)の観点に鑑み、具体的場面や状況に
- 10 -
応じて総合的・客観的に判断することが必要であり、事業者は、正当な理由が
あると判断した場合には、障害者にその理由を説明するものとし、理解を得る
よう努めることが望まれます。
なお、「客観的に判断する」とは、主観的な判断に委ねられるのではなく、
その主張が客観的な事実によって裏付けられ、第三者の立場から見ても納得
を得られるような「客観性」が必要とされるものです。
また、「正当な理由」を根拠に、不当な差別的取扱いを禁止する法の趣旨が
形骸化されるべきではなく、抽象的に事故の危惧がある、危険が想定される
といった理由によりサービスを提供しないといったことは適切ではありませ
ん。
(2)合理的配慮
①合理的配慮の基本的な考え方
<合理的配慮とは>
権利条約第2条において、合理的配慮は、「障害者が他の者との平等を基礎
として全ての人権及び基本的自由を享有し、又は行使することを確保するため
の必要かつ適当な変更及び調整であって、特定の場合において必要とされるも
のであり、かつ、均衡を失した又は過度の負担を課さないもの」と定義されて
います。
法は、権利条約における合理的配慮の定義を踏まえ、事業者に対し、その事
業を行うに当たり、個々の場面において、障害者から現に社会的障壁の除去を
必要としている旨の意思の表明があった場合において、その実施に伴う負担が
過重でないときは、障害者の権利利益を侵害することとならないよう、社会的
障壁の除去の実施について、必要かつ合理的な配慮(以下「合理的配慮」とい
う。)を行うことを求めています。
合理的配慮は、事業者の事業の目的・内容・機能に照らし、必要とされる範
囲で本来の業務に付随するものに限られ、障害者でない者との比較において同
等の機会の提供を受けるためのものであり、事業の目的・内容・機能の本質的
- 11 -
な変更には及びません。
合理的配慮は、障害の特性や社会的障壁の除去が求められる具体的場面や状
況に応じて異なり、多様かつ個別性の高いものであり、当該障害者が現に置か
れている状況を踏まえ、社会的障壁の除去のための手段及び方法について様々
な要素を考慮し、代替措置の選択も含め、双方の建設的対話による相互理解を
通じ、必要かつ合理的な範囲で柔軟に対応がなされるものです。合理的配慮の
内容は、技術の進展、社会情勢の変化等に応じて変遷することにも留意すべき
です。
<意思の表明>
意思の表明に当たっては、具体的場面において、社会的障壁の除去に関する
配慮を必要としている状況にあることを、言語(手話を含む。)のほか、点字、
拡大文字、筆談、実物の提示や身振りサイン等による合図、触覚による意思伝
達など、障害者が他人とコミュニケーションを図る際に必要な手段(通訳を介
するものを含む。)により伝えられます。
また、障害者からの意思の表明のみでなく、知的障害や精神障害(発達障害
を含む。)等により本人からの意思の表明が困難な場合には、障害者の家族、
支援者・介助者、法定代理人等、コミュニケーションを支援する者が本人を補
佐して行う意思の表明も含まれます。
なお、意思の表明が困難な障害者が、家族、支援者・介助者等を伴っていな
いことなどにより、意思の表明がない場合であっても、当該障害者が社会的障
壁の除去を必要としていることが明白であるときには、法の趣旨に鑑みれば、
当該障害者に対して適切と思われる配慮を提供するために自主的に取り組む
ことが望まれます。
<環境整備との関係>
法は、不特定多数の障害者を主な対象として行われる事前的改善措置(いわ
ゆるバリアフリー法に基づく公共施設や交通機関のバリアフリー化、意思表示
- 12 -
やコミュニケーションを支援するためのサービス・介助者・支援者等の人的支
援、障害者による円滑な情報の取得・利用・発信のための情報アクセシビリテ
ィの向上等)については、個別の場合において、個々の障害者に対して行われ
る合理的配慮を的確に行うための環境の整備として実施に努めることとして
います。
新しい技術開発が環境の整備に係る投資負担の軽減をもたらすこともある
ことから、技術進歩の動向を踏まえた取組が期待されています。また、環境の
整備には、ハード面のみならず、職員に対する研修等のソフト面の対応も含ま
れることが重要です。
障害者差別の解消のための取組は、このような環境の整備を行うための施策
と連携しながら進められることが重要であり、ハード面でのバリアフリー化施
策、情報の取得・利用・発信における情報アクセシビリティ向上のための施策、
職員に対する研修等、環境の整備の施策を着実に進めることが必要です。
合理的配慮は、上述の、障害者等の利用を想定して事前に行われる建築物の
バリアフリー化、支援者・介助者等の人的支援、情報アクセシビリティの向上
等の環境の整備を基礎として、その上で、個々の障害者に対して、その状況に
応じて個別に実施される措置です。従って、各場面における環境の整備の状況
により、合理的配慮の内容は異なることとなります。また、障害の状態等が変
化することもあるため、特に、障害者との関係性が長期にわたる場合には、提
供する合理的配慮について、適宜、見直しを行うことが重要です。
②過重な負担の基本的な考え方
過重な負担については、事業者において、具体的な検討をせずに過重な負担
を拡大解釈するなどして法の趣旨を損なうことなく、個別の事案ごとに、以下
の要素等を考慮し、具体的場面や状況に応じて総合的・客観的に判断すること
が必要であり、過重な負担に当たると判断した場合、障害者にその理由を説明
するものとし、理解を得るよう努めることが望まれます。
- 13 -
*事務・事業への影響の程度(事務・事業の目的・内容・機能を損なうか否か)
当該措置を講ずることによるサービス提供への影響、その他の事業への影響の程度。
*実現可能性の程度(物理的・技術的制約、人的・体制上の制約)
事業所の立地状況や施設の所有形態等の制約にも応じた、当該措置を講ずるための
機器や技術、人材の確保、設備の整備等の実現可能性の程度。
*費用・負担の程度
当該措置を講ずることによる費用・負担の程度。複数の障害者から合理的配慮に関
する要望があった場合、それらの複数の障害者に係る必要性や負担を勘案して判断
することとなります。
*事務・事業規模
当該事業所の規模に応じた負担の程度。
*財務状況
当該事業所の財務状況に応じた負担の程度。
(1)不当な差別的取扱い
①不当な差別的取扱いの基本的考え方
法は、障害者に対して、正当な理由なく、障害を理由として、サービス等
の提供を拒否する又は提供に当たって場所・時間帯などを制限する、障害者
でない者に対しては付さない条件を付するなどにより、障害者の権利利益を
侵害することを禁止しています。
なお、障害者の事実上の平等を促進し、又は達成するために必要な特別の措
置は、不当な差別的取扱いではないことに留意する必要があります。
したがって、障害者を障害者でない者と比べて優遇する取扱い(いわゆる積
極的改善措置)、法に規定された障害者に対する合理的配慮の提供による障害
者でない者との異なる取扱いや、合理的配慮を提供するために必要な範囲で、
プライバシーに配慮しつつ障害者に障害の状況等を確認することは、不当な差
別的取扱いには当たりません。
不当な差別的取扱いとは、正当な理由なく、障害者を、問題となる事務・事
業について本質的に関係する諸事情が同じ障害者でない者より不利に扱うこ
とです。
②正当な理由の判断の視点
不当な差別的取扱いであるのかどうかの判断には、その取扱いを行う正当
な理由の有無が重要となります。正当な理由に相当するのは、障害者に対し
て、障害を理由として、財・サービスや各種機会の提供を拒否するなどの取
扱いが客観的に見て正当な目的の下に行われたものであり、その目的に照ら
してやむを得ないと言える場合です。
正当な理由に相当するか否かについて、事業者は、個別の事案ごとに、障害
者、事業者、第三者の権利利益(例:安全の確保、財産の保全、事業の目的・
内容・機能の維持、損害発生の防止など)の観点に鑑み、具体的場面や状況に
- 10 -
応じて総合的・客観的に判断することが必要であり、事業者は、正当な理由が
あると判断した場合には、障害者にその理由を説明するものとし、理解を得る
よう努めることが望まれます。
なお、「客観的に判断する」とは、主観的な判断に委ねられるのではなく、
その主張が客観的な事実によって裏付けられ、第三者の立場から見ても納得
を得られるような「客観性」が必要とされるものです。
また、「正当な理由」を根拠に、不当な差別的取扱いを禁止する法の趣旨が
形骸化されるべきではなく、抽象的に事故の危惧がある、危険が想定される
といった理由によりサービスを提供しないといったことは適切ではありませ
ん。
(2)合理的配慮
①合理的配慮の基本的な考え方
<合理的配慮とは>
権利条約第2条において、合理的配慮は、「障害者が他の者との平等を基礎
として全ての人権及び基本的自由を享有し、又は行使することを確保するため
の必要かつ適当な変更及び調整であって、特定の場合において必要とされるも
のであり、かつ、均衡を失した又は過度の負担を課さないもの」と定義されて
います。
法は、権利条約における合理的配慮の定義を踏まえ、事業者に対し、その事
業を行うに当たり、個々の場面において、障害者から現に社会的障壁の除去を
必要としている旨の意思の表明があった場合において、その実施に伴う負担が
過重でないときは、障害者の権利利益を侵害することとならないよう、社会的
障壁の除去の実施について、必要かつ合理的な配慮(以下「合理的配慮」とい
う。)を行うことを求めています。
合理的配慮は、事業者の事業の目的・内容・機能に照らし、必要とされる範
囲で本来の業務に付随するものに限られ、障害者でない者との比較において同
等の機会の提供を受けるためのものであり、事業の目的・内容・機能の本質的
- 11 -
な変更には及びません。
合理的配慮は、障害の特性や社会的障壁の除去が求められる具体的場面や状
況に応じて異なり、多様かつ個別性の高いものであり、当該障害者が現に置か
れている状況を踏まえ、社会的障壁の除去のための手段及び方法について様々
な要素を考慮し、代替措置の選択も含め、双方の建設的対話による相互理解を
通じ、必要かつ合理的な範囲で柔軟に対応がなされるものです。合理的配慮の
内容は、技術の進展、社会情勢の変化等に応じて変遷することにも留意すべき
です。
<意思の表明>
意思の表明に当たっては、具体的場面において、社会的障壁の除去に関する
配慮を必要としている状況にあることを、言語(手話を含む。)のほか、点字、
拡大文字、筆談、実物の提示や身振りサイン等による合図、触覚による意思伝
達など、障害者が他人とコミュニケーションを図る際に必要な手段(通訳を介
するものを含む。)により伝えられます。
また、障害者からの意思の表明のみでなく、知的障害や精神障害(発達障害
を含む。)等により本人からの意思の表明が困難な場合には、障害者の家族、
支援者・介助者、法定代理人等、コミュニケーションを支援する者が本人を補
佐して行う意思の表明も含まれます。
なお、意思の表明が困難な障害者が、家族、支援者・介助者等を伴っていな
いことなどにより、意思の表明がない場合であっても、当該障害者が社会的障
壁の除去を必要としていることが明白であるときには、法の趣旨に鑑みれば、
当該障害者に対して適切と思われる配慮を提供するために自主的に取り組む
ことが望まれます。
<環境整備との関係>
法は、不特定多数の障害者を主な対象として行われる事前的改善措置(いわ
ゆるバリアフリー法に基づく公共施設や交通機関のバリアフリー化、意思表示
- 12 -
やコミュニケーションを支援するためのサービス・介助者・支援者等の人的支
援、障害者による円滑な情報の取得・利用・発信のための情報アクセシビリテ
ィの向上等)については、個別の場合において、個々の障害者に対して行われ
る合理的配慮を的確に行うための環境の整備として実施に努めることとして
います。
新しい技術開発が環境の整備に係る投資負担の軽減をもたらすこともある
ことから、技術進歩の動向を踏まえた取組が期待されています。また、環境の
整備には、ハード面のみならず、職員に対する研修等のソフト面の対応も含ま
れることが重要です。
障害者差別の解消のための取組は、このような環境の整備を行うための施策
と連携しながら進められることが重要であり、ハード面でのバリアフリー化施
策、情報の取得・利用・発信における情報アクセシビリティ向上のための施策、
職員に対する研修等、環境の整備の施策を着実に進めることが必要です。
合理的配慮は、上述の、障害者等の利用を想定して事前に行われる建築物の
バリアフリー化、支援者・介助者等の人的支援、情報アクセシビリティの向上
等の環境の整備を基礎として、その上で、個々の障害者に対して、その状況に
応じて個別に実施される措置です。従って、各場面における環境の整備の状況
により、合理的配慮の内容は異なることとなります。また、障害の状態等が変
化することもあるため、特に、障害者との関係性が長期にわたる場合には、提
供する合理的配慮について、適宜、見直しを行うことが重要です。
②過重な負担の基本的な考え方
過重な負担については、事業者において、具体的な検討をせずに過重な負担
を拡大解釈するなどして法の趣旨を損なうことなく、個別の事案ごとに、以下
の要素等を考慮し、具体的場面や状況に応じて総合的・客観的に判断すること
が必要であり、過重な負担に当たると判断した場合、障害者にその理由を説明
するものとし、理解を得るよう努めることが望まれます。
- 13 -
*事務・事業への影響の程度(事務・事業の目的・内容・機能を損なうか否か)
当該措置を講ずることによるサービス提供への影響、その他の事業への影響の程度。
*実現可能性の程度(物理的・技術的制約、人的・体制上の制約)
事業所の立地状況や施設の所有形態等の制約にも応じた、当該措置を講ずるための
機器や技術、人材の確保、設備の整備等の実現可能性の程度。
*費用・負担の程度
当該措置を講ずることによる費用・負担の程度。複数の障害者から合理的配慮に関
する要望があった場合、それらの複数の障害者に係る必要性や負担を勘案して判断
することとなります。
*事務・事業規模
当該事業所の規模に応じた負担の程度。
*財務状況
当該事業所の財務状況に応じた負担の程度。
厚生労働省における障害を理由とする差別の解消の推進(各事業者向けガイドラインについて)-1
福祉事業者向けガイドライン
福祉分野における事業者が講ずべき障害を理由とする差別を解消するための措置に関する対応指針(平成27年11月11日厚生労働大臣決定)
福祉分野における事業者が講ずべき障害を理由とする差別を解消するための措置に関する対応指針(平成27年11月11日厚生労働大臣決定)
~福祉分野における事業者が講ずべき障害を理由とする差別を解消するための措置に関する対応指針~
- 1 -
第1 趣旨
(1)障害者差別解消法制定の経緯
近年、障害者の権利擁護に向けた取組が国際的に進展し、平成18 年に国連
において、障害者の人権及び基本的自由の享有を確保し、並びに障害者の固有
の尊厳の尊重を促進するための包括的かつ総合的な国際条約である障害者の権
利に関する条約(以下「権利条約」という。)が採択されました。我が国は、平
成19 年に権利条約に署名し、以来、国内法の整備を始めとする取組を進めて
きました。
権利条約は第2条において、「「障害に基づく差別」とは、障害に基づくあら
ゆる区別、排除又は制限であって、政治的、経済的、社会的、文化的、市民的
その他のあらゆる分野において、他の者との平等を基礎として全ての人権及び
基本的自由を認識し、享有し、又は行使することを害し、又は妨げる目的又は
効果を有するものをいう。障害に基づく差別には、あらゆる形態の差別(合理
的配慮の否定を含む。)を含む。」と定義し、その禁止について、締約国に全て
の適当な措置を求めています。
我が国においては、平成16 年の障害者基本法(昭和45年法律第84号)
の改正において、障害者に対する差別の禁止が基本的理念として明示され、さ
らに、平成23 年の同法改正の際には、権利条約の趣旨を踏まえ、同法第2条
第2号において、社会的障壁について、「障害がある者にとつて日常生活又は社
会生活を営む上で障壁となるような社会における事物、制度、慣行、観念その
他一切のものをいう。」と定義されるとともに、基本原則として、同法第4条第
1項に、「何人も、障害者に対して、障害を理由として、差別することその他の
権利利益を侵害する行為をしてはならない」こと、また、同条第2項に、「社会
的障壁の除去は、それを必要としている障害者が現に存し、かつ、その実施に
伴う負担が過重でないときは、それを怠ることによって前項の規定に違反する
こととならないよう、その実施について必要かつ合理的な配慮がされなければ
ならない」ことが規定されました。
- 2 -
■ 障害者差別解消法関係の経緯
平成 16 年 6 月 4 日 障害者基本法改正
※ 施策の基本的理念として差別の禁止を規定
平成 18 年12 月13 日 第61 回国連総会において障害者権利条約を採択
平成 19 年 9 月 28 日 日本による障害者権利条約への署名
平成 23 年 8 月 5 日 障害者基本法改正
※ 障害者権利条約の考え方を踏まえ、合理的配慮の概
念を規定
平成 25 年 4 月26 日 障害者差別解消法案閣議決定、国会提出
6 月26 日 障害者差別解消法 公布・一部施行
平成 26 年 1 月20 日 障害者の権利に関する条約締結
平成 27 年 2 月24 日 障害者差別解消法「基本方針」閣議決定
平成 28 年 4月 1日 障害者差別解消法施行(予定)
【参考ページ】
- 3 -
障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(平成25 年法律第65 号。
以下「法」という。)は、障害者基本法の差別の禁止の基本原則を具体化するも
のであり、全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互
に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に向け、障害者差別の解
消を推進することを目的として、平成25 年6月に制定されました。我が国は、
法の制定を含めた一連の障害者施策に係る取組の成果を踏まえ、平成26 年1
月に権利条約を締結しました。
法は、平成28 年4月1日から施行されることになっています。
(2)対象となる障害者
対象となる障害者・障害児(以下「障害者」という。)は、障害者基本法第2
条第1号に規定する障害者、すなわち、「身体障害、知的障害、精神障害(発達
障害を含む。)その他の心身の機能の障害(以下「障害」と総称する。)がある
者であって、障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当
な制限を受ける状態にあるもの」です。
これは、障害者が日常生活又は社会生活において受ける制限は、身体障害、
知的障害、精神障害(発達障害を含む。)その他の心身の機能の障害(難病に起
因する障害を含む。)のみに起因するものではなく、社会における様々な障壁と
相対することによって生ずるというモデル(いわゆる「社会モデル」)の考え方
を踏まえているものです。したがって、法が対象とする障害者は、いわゆる障
害者手帳の所持者に限りません。なお、高次脳機能障害は精神障害に含まれて
います。
また、特に女性である障害者は、障害に加えて女性であることにより、さら
に複合的に困難な状況に置かれている場合があること、障害児には、成人の障
害者とは異なる支援の必要性があることに留意する必要があります。
■ 障害者権利条約とは
障害者権利条約は、障害者の人権及び基本的自由の享有を確保し、障害者の固有の
尊厳の尊重を促進することを目的として、障害者の権利の実現のための措置等につい
て定めた条約です。
2006(平成18)年12 月13 日に国連総会において採択され、2008(平成20)年5
月3 日に発効しました。我が国は2007(平成19)年9 月28 日に条約に署名し、2014
(平成26)年1 月20 日に批准書を寄託しました。また、同年2 月19 日に同条約は
我が国について効力を発生しました。
この条約の主な内容としては、以下のとおりです。
(1)一般原則
障害者の尊厳、自律及び自立の尊重、無差別、社会への完全かつ効果的な参加
及び包容等
(2)一般的義務
合理的配慮の実施を怠ることを含め、障害に基づくいかなる差別もなしに、す
べての障害者のあらゆる人権及び基本的自由を完全に実現することを確保し、及
び促進すること等
(3)障害者の権利実現のための措置
身体の自由、拷問の禁止、表現の自由等の自由権的権利及び教育・労働等の社
会権的権利について締約国がとるべき措置等を規定。社会権的権利の実現につい
ては漸進的に達成することを許容
(4)条約の実施のための仕組み
条約の実施及び監視のための国内の枠組みの設置。障害者の権利に関する委員
会における各締約国からの報告の検討
障害者権利条約は、障害者の人権及び基本的自由の享有を確保し、障害者の固有の
尊厳の尊重を促進することを目的として、障害者の権利の実現のための措置等につい
て定めた条約です。
2006(平成18)年12 月13 日に国連総会において採択され、2008(平成20)年5
月3 日に発効しました。我が国は2007(平成19)年9 月28 日に条約に署名し、2014
(平成26)年1 月20 日に批准書を寄託しました。また、同年2 月19 日に同条約は
我が国について効力を発生しました。
この条約の主な内容としては、以下のとおりです。
(1)一般原則
障害者の尊厳、自律及び自立の尊重、無差別、社会への完全かつ効果的な参加
及び包容等
(2)一般的義務
合理的配慮の実施を怠ることを含め、障害に基づくいかなる差別もなしに、す
べての障害者のあらゆる人権及び基本的自由を完全に実現することを確保し、及
び促進すること等
(3)障害者の権利実現のための措置
身体の自由、拷問の禁止、表現の自由等の自由権的権利及び教育・労働等の社
会権的権利について締約国がとるべき措置等を規定。社会権的権利の実現につい
ては漸進的に達成することを許容
(4)条約の実施のための仕組み
条約の実施及び監視のための国内の枠組みの設置。障害者の権利に関する委員
会における各締約国からの報告の検討
(3)障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本方針
法第6条第1項の規定に基づき、「障害を理由とする差別の解消の推進に関す
る基本方針」(平成27 年2月24日閣議決定。以下「基本方針」という。)が
策定されました。
基本方針は、障害を理由とする差別の解消の推進は、雇用、教育、医療、公
共交通等、障害者の自立と社会参加に関わるあらゆる分野に関連し、各府省の
所掌に横断的にまたがる施策であるため、政府として、施策の総合的かつ一体
的な推進を図るとともに、行政機関間や分野間における取組のばらつきを防ぐ
ため、施策の基本的な方向等を示したものです。
(4)福祉分野における対応指針
法第11 条第1項の規定に基づき、主務大臣は、基本方針に即して、事業者
が法第8条に規定する事項に関し、適切に対応するために必要な指針(以下「対
応指針」という。)を定めることとされています。
本指針は、上に述べた法の目的を達成するため、特に福祉分野に関わる事業
者の対応指針を定めたものです。
本指針において定める措置については、「望まれます」と記載されている内容
等法的義務ではないものも含まれますが、法の目的を踏まえ、具体的場面や状
況に応じて柔軟な対応を積極的に行うことが期待されるものです。
なお、事業者は、障害を理由とする差別を解消するための取組を行うに当た
り、法、基本方針及び本指針に示す項目のほか、各事業に関連する法令等の規
定を順守しなければなりません。
また、福祉の専門知識及び技術をもって福祉サービスを提供する事業者は、
日頃から、障害に関する理解や障害者の人権・権利擁護に関する認識を深める
とともに、より高い意識と行動規範をもって障害を理由とする差別を解消する
ための取組を進めていくことが期待されます。
法第6条第1項の規定に基づき、「障害を理由とする差別の解消の推進に関す
る基本方針」(平成27 年2月24日閣議決定。以下「基本方針」という。)が
策定されました。
基本方針は、障害を理由とする差別の解消の推進は、雇用、教育、医療、公
共交通等、障害者の自立と社会参加に関わるあらゆる分野に関連し、各府省の
所掌に横断的にまたがる施策であるため、政府として、施策の総合的かつ一体
的な推進を図るとともに、行政機関間や分野間における取組のばらつきを防ぐ
ため、施策の基本的な方向等を示したものです。
(4)福祉分野における対応指針
法第11 条第1項の規定に基づき、主務大臣は、基本方針に即して、事業者
が法第8条に規定する事項に関し、適切に対応するために必要な指針(以下「対
応指針」という。)を定めることとされています。
本指針は、上に述べた法の目的を達成するため、特に福祉分野に関わる事業
者の対応指針を定めたものです。
本指針において定める措置については、「望まれます」と記載されている内容
等法的義務ではないものも含まれますが、法の目的を踏まえ、具体的場面や状
況に応じて柔軟な対応を積極的に行うことが期待されるものです。
なお、事業者は、障害を理由とする差別を解消するための取組を行うに当た
り、法、基本方針及び本指針に示す項目のほか、各事業に関連する法令等の規
定を順守しなければなりません。
また、福祉の専門知識及び技術をもって福祉サービスを提供する事業者は、
日頃から、障害に関する理解や障害者の人権・権利擁護に関する認識を深める
とともに、より高い意識と行動規範をもって障害を理由とする差別を解消する
ための取組を進めていくことが期待されます。
■ 本指針に関する障害者差別解消法の参照条文
障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(平成25 年法律第65 号)
(目的)
第1条 この法律は、障害者基本法の基本的な理念にのっとり、全ての障害者が、障害者で
ない者と等しく、基本的人権を享有する個人としてその尊厳が重んぜられ、その尊厳にふ
さわしい生活を保障される権利を有することを踏まえ、障害を理由とする差別の解消の推
進に関する基本的な事項、行政機関等及び事業者における障害を理由とする差別を解消す
るための措置等を定めることにより、障害を理由とする差別の解消を推進し、もって全て
の国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合い
ながら共生する社会の実現に資することを目的とする。
第6条 政府は、障害を理由とする差別の解消の推進に関する施策を総合的かつ一体的に実
施するため、障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本方針を定めなければならな
い。
2~6 (略)
(事業者における障害を理由とする差別の禁止)
第8条 事業者は、その事業を行うに当たり、障害を理由として障害者でない者と不当な差
別的取扱いをすることにより、障害者の権利利益を侵害してはならない。
2 事業者は、その事業を行うに当たり、障害者から現に社会的障壁の除去を必要としてい
る旨の意思の表明があった場合において、その実施に伴う負担が過重でないときは、障害
者の権利利益を侵害することとならないよう、当該障害者の性別、年齢及び障害の状態に
応じて、社会的障壁の除去の実施について必要かつ合理的な配慮をするように努めなけれ
ばならない。
(事業者のための対応指針)
第11 条 主務大臣は、基本方針に即して、第8条に規定する事項に関し、事業者が適切に対
応するために必要な指針を定めるものとする。
2 (略)
(報告の徴収並びに助言、指導及び勧告)
第12 条 主務大臣は、第8条の規定の施行に関し、特に必要があると認める時は、対応指針
に定める事項について、当該事業者に対し、報告を求め、又は助言、指導若しくは勧告を
することができる。
障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(平成25 年法律第65 号)
(目的)
第1条 この法律は、障害者基本法の基本的な理念にのっとり、全ての障害者が、障害者で
ない者と等しく、基本的人権を享有する個人としてその尊厳が重んぜられ、その尊厳にふ
さわしい生活を保障される権利を有することを踏まえ、障害を理由とする差別の解消の推
進に関する基本的な事項、行政機関等及び事業者における障害を理由とする差別を解消す
るための措置等を定めることにより、障害を理由とする差別の解消を推進し、もって全て
の国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合い
ながら共生する社会の実現に資することを目的とする。
第6条 政府は、障害を理由とする差別の解消の推進に関する施策を総合的かつ一体的に実
施するため、障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本方針を定めなければならな
い。
2~6 (略)
(事業者における障害を理由とする差別の禁止)
第8条 事業者は、その事業を行うに当たり、障害を理由として障害者でない者と不当な差
別的取扱いをすることにより、障害者の権利利益を侵害してはならない。
2 事業者は、その事業を行うに当たり、障害者から現に社会的障壁の除去を必要としてい
る旨の意思の表明があった場合において、その実施に伴う負担が過重でないときは、障害
者の権利利益を侵害することとならないよう、当該障害者の性別、年齢及び障害の状態に
応じて、社会的障壁の除去の実施について必要かつ合理的な配慮をするように努めなけれ
ばならない。
(事業者のための対応指針)
第11 条 主務大臣は、基本方針に即して、第8条に規定する事項に関し、事業者が適切に対
応するために必要な指針を定めるものとする。
2 (略)
(報告の徴収並びに助言、指導及び勧告)
第12 条 主務大臣は、第8条の規定の施行に関し、特に必要があると認める時は、対応指針
に定める事項について、当該事業者に対し、報告を求め、又は助言、指導若しくは勧告を
することができる。
本指針の対象となる福祉事業者の範囲は、社会福祉法(昭和26 年法律第45
号)第2条に規定する社会福祉事業その他の福祉分野に関わる事業を行う事業
者です。
「本指針の対象となる福祉事業者」
・生活保護関係事業(救護施設、更生施設などを経営する事業など)
・児童福祉、母子福祉関係事業(乳児院、母子生活支援施設、児童養護施設、
障害児入所施設、情緒障害児短期治療施設、児童自立支援施設を経営する
事業、障害児通所支援事業、障害児相談支援事業、保育所、婦人保護施設、
母子・父子福祉施設など)
・老人福祉関係事業(養護老人ホーム又は特別養護老人ホームを経営する事
業、老人居宅介護等事業、老人デイサービス事業など)
・障害福祉関係事業(障害者支援施設を経営する事業、障害福祉サービス事
業、身体障害者生活訓練等事業、補装具製作施設など)
・隣保事業
・福祉サービス利用援助事業 など
なお、基本方針において、「事業者は、商業その他の事業を行う者(地方公共
団体の経営する企業及び公営企業型地方独立行政法人を含み、国、独立行政法
人等、地方公共団体及び公営企業型以外の地方独立行政法人を除く。)であり、
目的の営利・非営利、個人・法人の別を問わず、同種の行為を反復継続する意
思をもって行う者である。したがって、例えば、個人事業者や対価を得ない無
報酬の事業を行う者、非営利事業を行う社会福祉法人や特定非営利活動法人も
対象となる。」と規定されています。
号)第2条に規定する社会福祉事業その他の福祉分野に関わる事業を行う事業
者です。
「本指針の対象となる福祉事業者」
・生活保護関係事業(救護施設、更生施設などを経営する事業など)
・児童福祉、母子福祉関係事業(乳児院、母子生活支援施設、児童養護施設、
障害児入所施設、情緒障害児短期治療施設、児童自立支援施設を経営する
事業、障害児通所支援事業、障害児相談支援事業、保育所、婦人保護施設、
母子・父子福祉施設など)
・老人福祉関係事業(養護老人ホーム又は特別養護老人ホームを経営する事
業、老人居宅介護等事業、老人デイサービス事業など)
・障害福祉関係事業(障害者支援施設を経営する事業、障害福祉サービス事
業、身体障害者生活訓練等事業、補装具製作施設など)
・隣保事業
・福祉サービス利用援助事業 など
なお、基本方針において、「事業者は、商業その他の事業を行う者(地方公共
団体の経営する企業及び公営企業型地方独立行政法人を含み、国、独立行政法
人等、地方公共団体及び公営企業型以外の地方独立行政法人を除く。)であり、
目的の営利・非営利、個人・法人の別を問わず、同種の行為を反復継続する意
思をもって行う者である。したがって、例えば、個人事業者や対価を得ない無
報酬の事業を行う者、非営利事業を行う社会福祉法人や特定非営利活動法人も
対象となる。」と規定されています。
本指針の対象となる福祉事業者の範囲は、社会福祉法(昭和26 年法律第45
号)第2条に規定する社会福祉事業その他の福祉分野に関わる事業を行う事業
者です。
「本指針の対象となる福祉事業者」
・生活保護関係事業(救護施設、更生施設などを経営する事業など)
・児童福祉、母子福祉関係事業(乳児院、母子生活支援施設、児童養護施設、
障害児入所施設、情緒障害児短期治療施設、児童自立支援施設を経営する
事業、障害児通所支援事業、障害児相談支援事業、保育所、婦人保護施設、
母子・父子福祉施設など)
・老人福祉関係事業(養護老人ホーム又は特別養護老人ホームを経営する事
業、老人居宅介護等事業、老人デイサービス事業など)
・障害福祉関係事業(障害者支援施設を経営する事業、障害福祉サービス事
業、身体障害者生活訓練等事業、補装具製作施設など)
・隣保事業
・福祉サービス利用援助事業 など
なお、基本方針において、「事業者は、商業その他の事業を行う者(地方公共
団体の経営する企業及び公営企業型地方独立行政法人を含み、国、独立行政法
人等、地方公共団体及び公営企業型以外の地方独立行政法人を除く。)であり、
目的の営利・非営利、個人・法人の別を問わず、同種の行為を反復継続する意
思をもって行う者である。したがって、例えば、個人事業者や対価を得ない無
報酬の事業を行う者、非営利事業を行う社会福祉法人や特定非営利活動法人も
対象となる。」と規定されています。
号)第2条に規定する社会福祉事業その他の福祉分野に関わる事業を行う事業
者です。
「本指針の対象となる福祉事業者」
・生活保護関係事業(救護施設、更生施設などを経営する事業など)
・児童福祉、母子福祉関係事業(乳児院、母子生活支援施設、児童養護施設、
障害児入所施設、情緒障害児短期治療施設、児童自立支援施設を経営する
事業、障害児通所支援事業、障害児相談支援事業、保育所、婦人保護施設、
母子・父子福祉施設など)
・老人福祉関係事業(養護老人ホーム又は特別養護老人ホームを経営する事
業、老人居宅介護等事業、老人デイサービス事業など)
・障害福祉関係事業(障害者支援施設を経営する事業、障害福祉サービス事
業、身体障害者生活訓練等事業、補装具製作施設など)
・隣保事業
・福祉サービス利用援助事業 など
なお、基本方針において、「事業者は、商業その他の事業を行う者(地方公共
団体の経営する企業及び公営企業型地方独立行政法人を含み、国、独立行政法
人等、地方公共団体及び公営企業型以外の地方独立行政法人を除く。)であり、
目的の営利・非営利、個人・法人の別を問わず、同種の行為を反復継続する意
思をもって行う者である。したがって、例えば、個人事業者や対価を得ない無
報酬の事業を行う者、非営利事業を行う社会福祉法人や特定非営利活動法人も
対象となる。」と規定されています。
注)事業者が事業主としての立場で労働者に対して行う障害を理由とする差別を解消するための措
置については、法第13 条により、障害者の雇用の促進等に関する法律(昭和35 年法律第123
号)の定めるところによることとされており、同法に基づき別途定められた「障害者差別禁止指
針(※1)」及び「合理的配慮指針(※2)」を参照してください。
※1 「障害者に対する差別の禁止に関する規定に定める事項に関し、事業主が適切に対処するための指針」
(平成27 年厚生労働省告示第116 号)
※2 「雇用の分野における障害者と障害者でない者との均等な機会若しくは待遇の確保又は障害者である労働者の
有する能力の有効な発揮の支障となっている事情を改善するために事業主が講ずべき措置に関する指針」
(平成27 年厚生労働省告示第117 号)
置については、法第13 条により、障害者の雇用の促進等に関する法律(昭和35 年法律第123
号)の定めるところによることとされており、同法に基づき別途定められた「障害者差別禁止指
針(※1)」及び「合理的配慮指針(※2)」を参照してください。
※1 「障害者に対する差別の禁止に関する規定に定める事項に関し、事業主が適切に対処するための指針」
(平成27 年厚生労働省告示第116 号)
※2 「雇用の分野における障害者と障害者でない者との均等な機会若しくは待遇の確保又は障害者である労働者の
有する能力の有効な発揮の支障となっている事情を改善するために事業主が講ずべき措置に関する指針」
(平成27 年厚生労働省告示第117 号)
■ 国の「基本方針」に定められた「対応指針」に関する規定
障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本方針(平成27 年2 月24 日閣議決定)
Ⅳ 事業者が講ずべき障害を理由とする差別を解消するための措置に関する基本的な事項
2 対応指針
(1)対応指針の位置付け及び作成手続
主務大臣は、個別の場面における事業者の適切な対応・判断に資するための対応指針を
作成するものとされている。作成に当たっては、障害者や事業者等を構成員に含む会議の
開催、障害者団体や事業者団体等からのヒアリングなど、障害者その他の関係者の意見を
反映させるために必要な措置を講ずるとともに、作成後は、対応指針を公表しなければな
らない。
なお、対応指針は、事業者の適切な判断に資するために作成されるものであり、盛り込
まれる合理的配慮の具体例は、事業者に強制する性格のものではなく、また、それだけに
限られるものではない。事業者においては、対応指針を踏まえ、具体的場面や状況に応じ
て柔軟に対応することが期待される。
(2)対応指針の記載事項
対応指針の記載事項としては、以下のものが考えられる。
①趣旨
②障害を理由とする不当な差別的取扱い及び合理的配慮の基本的な考え方
③障害を理由とする不当な差別的取扱い及び合理的配慮の具体例
④事業者における相談体制の整備
⑤事業者における研修・啓発
⑥国の行政機関(主務大臣)における相談窓口
障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本方針(平成27 年2 月24 日閣議決定)
Ⅳ 事業者が講ずべき障害を理由とする差別を解消するための措置に関する基本的な事項
2 対応指針
(1)対応指針の位置付け及び作成手続
主務大臣は、個別の場面における事業者の適切な対応・判断に資するための対応指針を
作成するものとされている。作成に当たっては、障害者や事業者等を構成員に含む会議の
開催、障害者団体や事業者団体等からのヒアリングなど、障害者その他の関係者の意見を
反映させるために必要な措置を講ずるとともに、作成後は、対応指針を公表しなければな
らない。
なお、対応指針は、事業者の適切な判断に資するために作成されるものであり、盛り込
まれる合理的配慮の具体例は、事業者に強制する性格のものではなく、また、それだけに
限られるものではない。事業者においては、対応指針を踏まえ、具体的場面や状況に応じ
て柔軟に対応することが期待される。
(2)対応指針の記載事項
対応指針の記載事項としては、以下のものが考えられる。
①趣旨
②障害を理由とする不当な差別的取扱い及び合理的配慮の基本的な考え方
③障害を理由とする不当な差別的取扱い及び合理的配慮の具体例
④事業者における相談体制の整備
⑤事業者における研修・啓発
⑥国の行政機関(主務大臣)における相談窓口
厚生労働省における障害を理由とする差別の解消の推進に関する対応要領
(平成27年11月27日厚生労働省訓第45号)
厚生労働省訓第45号
(部内一般)
厚生労働省における障害を理由とする差別の解消の推進に関する対応要領を次のように
定める。
平成27年11月27日
厚生労働大臣 塩崎 恭久
厚生労働省における障害を理由とする差別の解消の推進に関する対応要領
(目的)
第1条 この要領(以下「対応要領」という。)は、障害を理由とする差別の解消の推進に
関する法律(平成25 年法律第65 号。以下「法」という。)第9条第1項の規定に基づき、
また、障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本方針(平成27 年2月24 日閣議
決定。)に即して、法第7条に規定する事項に関し、厚生労働省職員(中央労働委員会事
務局職員を除く。以下「職員」という。)が適切に対応するために必要な事項を定めるも
のとする。
(不当な差別的取扱いの禁止)
第2条 職員は、法第7条第1項の規定のとおり、その事務又は事業を行うに当たり、障
害(身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む。)その他の心身の機能の障害をい
う。以下この対応要領において同じ。)を理由として、障害者(障害及び社会的障壁によ
り継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるもの。以下この対応
要領において同じ。)でない者と不当な差別的取扱いをすることにより、障害者の権利利
益を侵害してはならない。これに当たり、職員は、別紙に定める留意事項に留意するも
のとする。なお、別紙中、「望ましい」と記載している内容は、それを実施しない場合で
あっても、法に反すると判断されることはないが、障害者基本法(昭和45年法律第8
4号)の基本的な理念及び法の目的を踏まえ、できるだけ取り組むことが望まれること
を意味する(次条において同じ。)。
(合理的配慮の提供)
第3条 職員は、法第7条第2項の規定のとおり、その事務又は事業を行うに当たり、障
害者から現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明があった場合において、
その実施に伴う負担が過重でないときは、障害者の権利利益を侵害することとならない
よう、当該障害者の性別、年齢及び障害の状態に応じて、社会的障壁の除去の実施につ
いて必要かつ合理的な配慮(以下「合理的配慮」という。)の提供をしなければならない。
これに当たり、職員は、別紙に定める留意事項に留意するものとする。
(監督者の責務)
第4条 職員のうち、課長相当職以上の地位にある者(以下「監督者」という。)は、前2
条に掲げる事項に関し、障害を理由とする差別の解消を推進するため、次の各号に掲げ
る事項を実施しなければならない。
- 2 -
する職員の注意を喚起し、障害を理由とする差別の解消に関する認識を深めさせるこ
と。
二 障害者等から不当な差別的取扱い、合理的配慮の不提供に対する相談、苦情の申し
出等があった場合は、迅速に状況を確認すること。
三 合理的配慮の必要性が確認された場合、監督する職員に対して、合理的配慮の提供
を適切に行うよう指導すること。
2 監督者は、障害を理由とする差別に関する問題が生じた場合には、迅速かつ適切に対
処しなければならない。
(懲戒処分等)
第5条 職員が、障害者に対し不当な差別的取扱いをし、又は、過重な負担がないにも関
わらず合理的配慮の不提供をした場合、その態様等によっては、職務上の義務に違反し、
又は職務を怠った場合等に該当し、懲戒処分等に付されることがある。
(相談体制の整備)
第6条 厚生労働省に、その職員から障害を理由とする差別を受けた障害者及びその家族
その他の関係者(以下「相談者」という。)からの相談等に的確に対応するための相談窓
口を設置する。
2 前項に規定する相談窓口は、本省内部部局にあっては大臣官房人事課長が、施設等機
関及び地方支分部局にあっては、それぞれの長が定める。3 相談等を受ける場合は、性別、年齢、状態等に配慮するとともに、対面のほか、電話、
ファックス、電子メールに加え、障害者が他人とコミュニケーションを図る際に必要と
なる多様な手段を可能な範囲で用意して対応するものとする。
4 相談窓口は、相談者から相談の内容となる事実の詳細その他必要な情報を聴取し、事
実確認をしたうえで、相談対象事案があると認めるときは、速やかに是正措置及び再発
防止策等を採るものとする。
5 第1項の相談窓口に寄せられた相談等は、大臣官房人事課に集約し、相談者のプライ
バシーに配慮しつつ関係者間で情報共有を図り、以後の相談等において活用することと
する。
6 第1項の相談窓口は、必要に応じ、充実を図るよう努めるものとする。
(研修・啓発)第7条 障害を理由とする差別の解消の推進を図るため、職員に対し、必要な研修・啓発
を行うものとする。
2 新たに職員となった者に対しては、障害を理由とする差別の解消に関する基本的な事
項について理解させるために、また、新たに監督者となった職員に対しては、障害を理
由とする差別の解消等に関し求められる役割について理解させるために、それぞれ、研
修を実施する。
3 職員に対し、障害の特性を理解させるとともに、障害者へ適切に対応するために必要
- 3 -
なマニュアル等により、意識の啓発を図る。
附 則
この訓令は、平成28年4月1日から施行する。
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別紙
厚生労働省における障害を理由とする差別の解消の推進に関する対応要領に係る留
意事項
第1 不当な差別的取扱いの基本的な考え方
法は、障害者に対して、正当な理由なく、障害を理由として、財・サービスや各種機会
の提供を拒否する又は提供に当たって場所・時間帯などを制限する、障害者でない者に対
しては付さない条件を付けることなどにより、障害者の権利利益を侵害することを禁止し
ている。
ただし、障害者の事実上の平等を促進し、又は達成するために必要な特別の措置は、不
当な差別的取扱いではない。したがって、障害者を障害者でない者と比べて優遇する取扱
い(いわゆる積極的改善措置)、法に規定された障害者に対する合理的配慮の提供による障
害者でない者との異なる取扱いや、合理的配慮を提供等するために必要な範囲で、プライ
バシーに配慮しつつ障害者に障害の状況等を確認することは、不当な差別的取扱いには当
たらない。
このように、不当な差別的取扱いとは、正当な理由なく、障害者を、問題となる事務又
は事業について、本質的に関係する諸事情が同じ障害者でない者より不利に扱うことであ
る点に留意する必要がある。
第2 正当な理由の判断の視点
正当な理由に相当するのは、障害者に対して、障害を理由として、財・サービスや各種
機会の提供を拒否するなどの取扱いが客観的に見て正当な目的の下に行われたものであり、
その目的に照らしてやむを得ないと言える場合である。厚生労働省においては、正当な理
由に相当するか否かについて、具体的な検討をせずに正当な理由を拡大解釈するなどして
法の趣旨を損なうことなく、個別の事案ごとに、障害者、第三者の権利利益(例:安全の
確保、財産の保全、損害発生の防止等)及び厚生労働省の事務又は事業の目的・内容・機
能の維持等の観点に鑑み、具体的場面や状況に応じて総合的・客観的に判断することが必
要である。
職員は、正当な理由があると判断した場合には、障害者にその理由を説明するものとし、
理解を得るよう努めることが望ましい。
第3 不当な差別的取扱いの具体例
不当な差別的取扱いに当たり得る具体例は以下のとおりである。なお、第2で示したとおり、不当な差別的取扱いに相当するか否かについては、個別の事案ごとに判断されるこ
ととなる。また、以下に記載されている具体例については、正当な理由が存在しないこと
を前提としていること、さらに、それらはあくまでも例示であり、記載されている具体例
だけに限られるものではないことに留意する必要がある。
(不当な差別的取扱いに当たり得る具体例)
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○ 障害を理由に窓口対応を拒否する。
○ 障害を理由に対応の順序を後回しにする。
○ 障害を理由に書面の交付、資料の送付、パンフレットの提供等を拒む。
○ 障害を理由に説明会、シンポジウム等への出席を拒む。
○ 事務・事業の遂行上、特に必要ではないにもかかわらず、障害を理由に、来庁の際に
付き添い者の同行を求めるなどの条件を付けたり、特に支障がないにもかかわらず、付
き添い者の同行を拒んだりする。
○ 障害を理由に、診療、入院等を拒否すること。
○ 本人又はその家族等の意思(障害のある方の意思を確認することが困難な場合に限る。)
に反したサービス(施設への入所など)を行うこと。
第4 合理的配慮の基本的な考え方
1 障害者の権利に関する条約(以下「権利条約」という。)第2条において、「合理的配慮」は、「障害者が他の者との平等を基礎として全ての人権及び基本的自由を享有し、又
は行使することを確保するための必要かつ適当な変更及び調整であって、特定の場合に
おいて必要とされるものであり、かつ、均衡を失した又は過度の負担を課さないもの」
と定義されている。
法は、権利条約における合理的配慮の定義を踏まえ、行政機関等に対し、その事務又
は事業を行うに当たり、個々の場面において、障害者から現に社会的障壁の除去を必要
としている旨の意思の表明があった場合において、その実施に伴う負担が過重でないと
きは、障害者の権利利益を侵害することとならないよう、社会的障壁の除去の実施につ
いて、合理的配慮を行うことを求めている。合理的配慮は、障害者が受ける制限は、障
害のみに起因するものではなく、社会における様々な障壁と相対することによって生ず
るものとのいわゆる「社会モデル」の考え方を踏まえたものであり、障害者の権利利益
を侵害することとならないよう、障害者が個々の場面において必要としている社会的障
壁を除去するための必要かつ合理的な取組であり、その実施に伴う負担が過重でないも
のである。
合理的配慮は、厚生労働省の事務又は事業の目的・内容・機能に照らし、必要とされ
る範囲で本来の業務に付随するものに限られること、障害者でない者との比較において
同等の機会の提供を受けるためのものであること、事務又は事業の目的・内容・機能の本質的な変更には及ばないことに留意する必要がある。
2 合理的配慮は、障害の特性や社会的障壁の除去が求められる具体的場面や状況に応じ
て異なり、多様かつ個別性の高いものであり、当該障害者が現に置かれている状況を踏まえ、社会的障壁の除去のための手段及び方法について、「第5 過重な負担の基本的な
考え方」に掲げる要素を考慮し、代替措置の選択も含め、双方の建設的対話による相互
理解を通じて、必要かつ合理的な範囲で、柔軟に対応がなされるものである。さらに、
合理的配慮の内容は、技術の進展、社会情勢の変化等に応じて変わり得るものである。
合理的配慮の提供に当たっては、障害者の性別、年齢、状態等に配慮するものとする。
なお、合理的配慮を必要とする障害者が多数見込まれる場合、障害者との関係性が長期にわたる場合等には、その都度の合理的配慮とは別に、後述する環境の整備を考慮に
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入れることにより、中・長期的なコストの削減・効率化につながる点は重要である。
3 意思の表明に当たっては、具体的場面において、社会的障壁の除去に関する配慮を必
要としている状況にあることを言語(手話を含む。)のほか、点字、拡大文字、筆談、実
物の提示や身振りサイン等による合図、触覚による意思伝達など、障害者が他人とコミ
ュニケーションを図る際に必要な手段(通訳を介するものを含む。)により伝えられる。また、障害者からの意思表明のみでなく、知的障害や精神障害(発達障害を含む。)等
により本人の意思表明が困難な場合には、障害者の家族、支援者・介助者、法定代理人
等、コミュニケーションを支援する者が本人を補佐して行う意思の表明も含む。
なお、意思の表明が困難な障害者が、家族、支援者・介助者、法定代理人等を伴っていない場合など、意思の表明がない場合であっても、当該障害者が社会的障壁の除去を
必要としていることが明白である場合には、法の趣旨に鑑みれば、当該障害者に対して
適切と思われる配慮を提案するために建設的対話を働きかけるなど、自主的な取組に努
めることが望ましい。
4 合理的配慮は、障害者等の利用を想定して事前に行われる建築物のバリアフリー化、
介助者等の人的支援、情報アクセシビリティの向上等の環境の整備を基礎として、個々
の障害者に対して、その状況に応じて個別に実施される措置である。したがって、各場
面における環境の整備の状況により、合理的配慮の内容は異なることとなる。また、障
害の状態等が変化することもあるため、特に、障害者との関係性が長期にわたる場合等
には、提供する合理的配慮について、適宜、見直しを行うことが重要である。
5 厚生労働省が、事務又は事業の全部又は一部を委託等する場合は、提供される合理的
配慮の内容に大きな差異が生ずることにより障害者が不利益を受けることのないよう、
委託等の条件に、対応要領を踏まえた合理的配慮の提供について盛り込むよう努めるこ
とが望ましい。
第5 過重な負担の基本的な考え方
過重な負担については、具体的な検討をせずに過重な負担を拡大解釈するなどして法の趣旨を損なうことなく、個別の事案ごとに、以下の要素等を考慮し、具体的場面や状況に
応じて総合的・客観的に判断することが必要である。職員は、過重な負担に当たると判断
した場合は、障害者にその理由を説明し、理解を得るよう努めることが望ましい。
○ 事務又は事業への影響の程度(事務又は事業の目的、内容、機能を損なうか否か)
○ 実現可能性の程度(物理的・技術的制約、人的・体制上の制約)
○ 費用・負担の程度
第6 合理的配慮の具体例
第4で示したとおり、合理的配慮は、障害の特性や社会的障壁の除去が求められる具体
的場面や状況に応じて異なり、多様かつ個別性の高いものであるが、具体例としては、次
のようなものがある。
なお、記載した具体例については、第5で示した過重な負担が存在しないことを前提と
していること、また、これらはあくまでも例示であり、記載されている具体例だけに限ら
れるものではないことに留意する必要がある。
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(合理的配慮に当たり得る物理的環境への配慮の具体例)
○ 段差がある場合に、車椅子利用者にキャスター上げ等の補助をする、携帯スロープを
渡すなどする。
○ 配架棚の高い所に置かれたパンフレット等を取って渡す。パンフレット等の位置を分かりやすく伝える。
○ 目的の場所までの案内の際に、障害者の歩行速度に合わせた速度で歩いたり、前後・
左右・距離の位置取りについて、障害者の希望を聞いたりする。
○ 障害の特性により、頻繁に離席の必要がある場合に、会場の座席位置を扉付近にする。
○ 疲労を感じやすい障害者から別室での休憩の申し出があった際、別室の確保が困難で
あったことから、当該障害者に事情を説明し、対応窓口の近くに長椅子を移動させて臨
時の休憩スペースを設ける。
○ 不随意運動等により書類等を押さえることが難しい障害者に対し、職員が書類を押さえたり、バインダー等の固定器具を提供したりする。
○ 災害や事故が発生した際、館内放送で避難情報等の緊急情報を聞くことが難しい聴覚
障害者に対し、電光掲示板、手書きのボード等を用いて、分かりやすく案内し誘導を図
る。
(合理的配慮に当たり得る意思疎通の配慮の具体例)
○ 筆談、読み上げ、手話、点字、拡大文字などのコミュニケーション手段を用いる。
○ 会議資料等について、点字、拡大文字等で作成する際に、各々の媒体間でページ番号
等が異なりうることに留意して使用する。
○ 視覚障害のある委員に会議資料等を事前送付する際、読み上げソフトに対応できるよ
う電子データ(テキスト形式)で提供する。
○ 意思疎通が不得意な障害者に対し、絵カード等を活用して意思を確認する。
○ 駐車場などで通常、口頭で行う案内を、紙にメモをして渡す。
○ 書類記入の依頼時に、記入方法等を本人の目の前で示したり、わかりやすい記述で伝
達したりする。本人の依頼がある場合には、代読といった配慮を行う。
○ 比喩表現等が苦手な障害者に対し、比喩や暗喩、二重否定表現などを用いずに具体的に説明する。
○ 障害者から申し出があった際に、ゆっくり、丁寧に、繰り返し説明し、内容が理解さ
れたことを確認しながら応対する。また、なじみのない外来語は避ける、漢数字は用い
ない、時刻は24 時間表記ではなく午前・午後で表記するなどの配慮を念頭に置いたメモ
を、必要に応じて適時に渡す。
○ 会議の進行に当たり、資料を見ながら説明を聞くことが困難な視覚又は聴覚に障害の
ある委員や知的障害を持つ委員に対し、ゆっくり、丁寧な進行を心がけるなどの配慮を
行う。
○ 会議の進行に当たっては、職員等が委員の障害の特性に合ったサポートを行う等、可
能な範囲での配慮を行う。- 8 -
(ルール・慣行の柔軟な変更の具体例)
○ 順番を待つことが苦手な障害者に対し、周囲の者の理解を得た上で、手続き順を入れ
替える。
○ 立って列に並んで順番を待っている場合に、周囲の者の理解を得た上で、当該障害者
の順番が来るまで別室や席を用意する。
○ スクリーン、手話通訳者、板書等がよく見えるように、スクリーン等に近い席を確保
する。
○ 車両乗降場所を施設出入口に近い場所へ変更する。
○ 厚生労働省の敷地内の駐車場等において、障害者の来庁が多数見込まれる場合、通常、
障害者専用とされていない区画を障害者専用の区画に変更する。
○ 入館時にICカードゲートを通過することが困難な場合、別ルートからの入館を認める。
○ 他人との接触、多人数の中にいることによる緊張等により、発作等がある場合、当該
障害者に説明の上、障害の特性や施設の状況に応じて別室を準備する。
○ 非公表又は未公表情報を扱う会議等において、情報管理に係る担保が得られることを
前提に、障害のある委員の理解を援助する者の同席を認める。(障害特性に応じた留意点について)
障害特性に応じた対応の具体例に関しては、「障害者差別解消法福祉事業者向けガイド
ライン~福祉分野における事業者が講ずべき障害を理由とする差別を解消するための措置に関する指針~」第3(3)に代表的な障害特性と対応時に配慮すべき事項について示さ
れているので、別添に留意されたい。
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別添
障害者差別解消法福祉事業者向けガイドライン~福祉分野における事業者が講ずべき障害を理由とする差別を解消するための措置に関する指針~
第3 障害を理由とする不当な差別的取扱い及び合理的配慮の例
(3)障害特性に応じた対応について
障害者と接する際には、それぞれの障害特性に応じた対応が求められます。
以下に、代表的な障害特性と対応時に配慮すべき事項について簡単にまとめて
います。
このほか、障害児については、成人の障害者とは異なる支援の必要性があり
ます。子どもは成長、発達の途上にあり、乳幼児期の段階から、個々の子ども
の発達の段階に応じて一人ひとりの個性と能力に応じた丁寧に配慮された支援
を行う発達支援が必要です。また、子どもを養育する家族を含めた丁寧かつ早
い段階からの家族支援が必要です。特に、保護者が子どもの障害を知った時の
気持ちを出発点とし、障害を理解する態度を持つようになるまでの過程におい
ては、関係者の十分な配慮と支援が必要です。
また、医療的ケアを要する障害児については、配慮を要する程度に個人差が
あることに留意し、医療機関等と連携を図りながら、個々の状態や必要な支援
を丁寧に確認し、適切な支援を行うことが必要です。
視覚障害(視力障害・視野障害)
〔主な特性〕
・先天性で受障される方のほか、最近は糖尿病性網膜症などで受障される人も多く、
高齢者では、緑内障や黄斑部変性症が多い
・視力障害:視覚的な情報を全く得られない又はほとんど得られない人と、文字の拡
大や視覚補助具等を使用し保有する視力を活用できる人に大きく分けられる
(全盲、弱視といわれることもある)
* 視力をほとんど活用できない人の場合、音声、触覚、嗅覚など、視覚以外の情報
を手がかりに周囲の状況を把握している
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* 文字の読みとりは、点字に加えて最近では画面上の文字情報を読み上げるソフト
を用いてパソコンで行うこともある(点字の読み書きができる人ばかりではない)
* 視力をある程度活用できる人の場合は、補助具を使用したり文字を拡大したり近づいて見るなどの様々な工夫をして情報を得ている
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