2019年10月29日火曜日

厚生労働省における障害を理由とする差別の解消の推進に関する対応要領






 

(平成27年11月27日厚生労働省訓第45号)



厚生労働省訓第45号
(部内一般)
厚生労働省における障害を理由とする差別の解消の推進に関する対応要領を次のように
定める。
平成27年11月27日
厚生労働大臣 塩崎 恭久
厚生労働省における障害を理由とする差別の解消の推進に関する対応要領
(目的)
第1条 この要領(以下「対応要領」という。)は、障害を理由とする差別の解消の推進に
関する法律(平成25 年法律第65 号。以下「法」という。)第9条第1項の規定に基づき、
また、障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本方針(平成27 年2月24 日閣議
決定。)に即して、法第7条に規定する事項に関し、厚生労働省職員(中央労働委員会事
務局職員を除く。以下「職員」という。)が適切に対応するために必要な事項を定めるも
のとする。
(不当な差別的取扱いの禁止)
第2条 職員は、法第7条第1項の規定のとおり、その事務又は事業を行うに当たり、障
害(身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む。)その他の心身の機能の障害をい
う。以下この対応要領において同じ。)を理由として、障害者(障害及び社会的障壁によ
り継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるもの。以下この対応
要領において同じ。)でない者と不当な差別的取扱いをすることにより、障害者の権利利
益を侵害してはならない。これに当たり、職員は、別紙に定める留意事項に留意するも
のとする。なお、別紙中、「望ましい」と記載している内容は、それを実施しない場合で
あっても、法に反すると判断されることはないが、障害者基本法(昭和45年法律第8
4号)の基本的な理念及び法の目的を踏まえ、できるだけ取り組むことが望まれること
を意味する(次条において同じ。)。
(合理的配慮の提供)
第3条 職員は、法第7条第2項の規定のとおり、その事務又は事業を行うに当たり、障
害者から現に社会的障壁の除去を必要としている旨の意思の表明があった場合において、
その実施に伴う負担が過重でないときは、障害者の権利利益を侵害することとならない
よう、当該障害者の性別、年齢及び障害の状態に応じて、社会的障壁の除去の実施につ
いて必要かつ合理的な配慮(以下「合理的配慮」という。)の提供をしなければならない。
これに当たり、職員は、別紙に定める留意事項に留意するものとする。
(監督者の責務)
第4条 職員のうち、課長相当職以上の地位にある者(以下「監督者」という。)は、前2
条に掲げる事項に関し、障害を理由とする差別の解消を推進するため、次の各号に掲げ
る事項を実施しなければならない。
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一 日常の執務を通じた指導等により、障害を理由とする差別の解消に関し、その監督
する職員の注意を喚起し、障害を理由とする差別の解消に関する認識を深めさせるこ
と。
二 障害者等から不当な差別的取扱い、合理的配慮の不提供に対する相談、苦情の申し
出等があった場合は、迅速に状況を確認すること。
三 合理的配慮の必要性が確認された場合、監督する職員に対して、合理的配慮の提供
を適切に行うよう指導すること。
2 監督者は、障害を理由とする差別に関する問題が生じた場合には、迅速かつ適切に対
処しなければならない。
(懲戒処分等)
第5条 職員が、障害者に対し不当な差別的取扱いをし、又は、過重な負担がないにも関
わらず合理的配慮の不提供をした場合、その態様等によっては、職務上の義務に違反し、
又は職務を怠った場合等に該当し、懲戒処分等に付されることがある。
(相談体制の整備)
第6条 厚生労働省に、その職員から障害を理由とする差別を受けた障害者及びその家族
その他の関係者(以下「相談者」という。)からの相談等に的確に対応するための相談窓
口を設置する。
2 前項に規定する相談窓口は、本省内部部局にあっては大臣官房人事課長が、施設等機
関及び地方支分部局にあっては、それぞれの長が定める。
3 相談等を受ける場合は、性別、年齢、状態等に配慮するとともに、対面のほか、電話、
ファックス、電子メールに加え、障害者が他人とコミュニケーションを図る際に必要と
なる多様な手段を可能な範囲で用意して対応するものとする。
4 相談窓口は、相談者から相談の内容となる事実の詳細その他必要な情報を聴取し、事
実確認をしたうえで、相談対象事案があると認めるときは、速やかに是正措置及び再発
防止策等を採るものとする。
5 第1項の相談窓口に寄せられた相談等は、大臣官房人事課に集約し、相談者のプライ
バシーに配慮しつつ関係者間で情報共有を図り、以後の相談等において活用することと
する。
6 第1項の相談窓口は、必要に応じ、充実を図るよう努めるものとする。
(研修・啓発)
第7条 障害を理由とする差別の解消の推進を図るため、職員に対し、必要な研修・啓発
を行うものとする。
2 新たに職員となった者に対しては、障害を理由とする差別の解消に関する基本的な事
項について理解させるために、また、新たに監督者となった職員に対しては、障害を理
由とする差別の解消等に関し求められる役割について理解させるために、それぞれ、研
修を実施する。
3 職員に対し、障害の特性を理解させるとともに、障害者へ適切に対応するために必要
- 3 -
なマニュアル等により、意識の啓発を図る。
附 則
この訓令は、平成28年4月1日から施行する。
- 4 -
別紙
厚生労働省における障害を理由とする差別の解消の推進に関する対応要領に係る留
意事項
第1 不当な差別的取扱いの基本的な考え方
法は、障害者に対して、正当な理由なく、障害を理由として、財・サービスや各種機会
の提供を拒否する又は提供に当たって場所・時間帯などを制限する、障害者でない者に対
しては付さない条件を付けることなどにより、障害者の権利利益を侵害することを禁止し
ている。
ただし、障害者の事実上の平等を促進し、又は達成するために必要な特別の措置は、不
当な差別的取扱いではない。したがって、障害者を障害者でない者と比べて優遇する取扱
い(いわゆる積極的改善措置)、法に規定された障害者に対する合理的配慮の提供による障
害者でない者との異なる取扱いや、合理的配慮を提供等するために必要な範囲で、プライ
バシーに配慮しつつ障害者に障害の状況等を確認することは、不当な差別的取扱いには当
たらない。
このように、不当な差別的取扱いとは、正当な理由なく、障害者を、問題となる事務又
は事業について、本質的に関係する諸事情が同じ障害者でない者より不利に扱うことであ
る点に留意する必要がある。
第2 正当な理由の判断の視点
正当な理由に相当するのは、障害者に対して、障害を理由として、財・サービスや各種
機会の提供を拒否するなどの取扱いが客観的に見て正当な目的の下に行われたものであり、
その目的に照らしてやむを得ないと言える場合である。厚生労働省においては、正当な理
由に相当するか否かについて、具体的な検討をせずに正当な理由を拡大解釈するなどして
法の趣旨を損なうことなく、個別の事案ごとに、障害者、第三者の権利利益(例:安全の
確保、財産の保全、損害発生の防止等)及び厚生労働省の事務又は事業の目的・内容・機
能の維持等の観点に鑑み、具体的場面や状況に応じて総合的・客観的に判断することが必
要である。
職員は、正当な理由があると判断した場合には、障害者にその理由を説明するものとし、
理解を得るよう努めることが望ましい。
第3 不当な差別的取扱いの具体例
不当な差別的取扱いに当たり得る具体例は以下のとおりである。なお、第2で示したと
おり、不当な差別的取扱いに相当するか否かについては、個別の事案ごとに判断されるこ
ととなる。また、以下に記載されている具体例については、正当な理由が存在しないこと
を前提としていること、さらに、それらはあくまでも例示であり、記載されている具体例
だけに限られるものではないことに留意する必要がある。
(不当な差別的取扱いに当たり得る具体例)
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○ 障害を理由に窓口対応を拒否する。
○ 障害を理由に対応の順序を後回しにする。
○ 障害を理由に書面の交付、資料の送付、パンフレットの提供等を拒む。
○ 障害を理由に説明会、シンポジウム等への出席を拒む。
○ 事務・事業の遂行上、特に必要ではないにもかかわらず、障害を理由に、来庁の際に
付き添い者の同行を求めるなどの条件を付けたり、特に支障がないにもかかわらず、付
き添い者の同行を拒んだりする。
○ 障害を理由に、診療、入院等を拒否すること。
○ 本人又はその家族等の意思(障害のある方の意思を確認することが困難な場合に限る。)
に反したサービス(施設への入所など)を行うこと。
第4 合理的配慮の基本的な考え方
1 障害者の権利に関する条約(以下「権利条約」という。)第2条において、「合理的配
慮」は、「障害者が他の者との平等を基礎として全ての人権及び基本的自由を享有し、又
は行使することを確保するための必要かつ適当な変更及び調整であって、特定の場合に
おいて必要とされるものであり、かつ、均衡を失した又は過度の負担を課さないもの」
と定義されている。
法は、権利条約における合理的配慮の定義を踏まえ、行政機関等に対し、その事務又
は事業を行うに当たり、個々の場面において、障害者から現に社会的障壁の除去を必要
としている旨の意思の表明があった場合において、その実施に伴う負担が過重でないと
きは、障害者の権利利益を侵害することとならないよう、社会的障壁の除去の実施につ
いて、合理的配慮を行うことを求めている。合理的配慮は、障害者が受ける制限は、障
害のみに起因するものではなく、社会における様々な障壁と相対することによって生ず
るものとのいわゆる「社会モデル」の考え方を踏まえたものであり、障害者の権利利益
を侵害することとならないよう、障害者が個々の場面において必要としている社会的障
壁を除去するための必要かつ合理的な取組であり、その実施に伴う負担が過重でないも
のである。
合理的配慮は、厚生労働省の事務又は事業の目的・内容・機能に照らし、必要とされ
る範囲で本来の業務に付随するものに限られること、障害者でない者との比較において
同等の機会の提供を受けるためのものであること、事務又は事業の目的・内容・機能の
本質的な変更には及ばないことに留意する必要がある。
2 合理的配慮は、障害の特性や社会的障壁の除去が求められる具体的場面や状況に応じ
て異なり、多様かつ個別性の高いものであり、当該障害者が現に置かれている状況を踏
まえ、社会的障壁の除去のための手段及び方法について、「第5 過重な負担の基本的な
考え方」に掲げる要素を考慮し、代替措置の選択も含め、双方の建設的対話による相互
理解を通じて、必要かつ合理的な範囲で、柔軟に対応がなされるものである。さらに、
合理的配慮の内容は、技術の進展、社会情勢の変化等に応じて変わり得るものである。
合理的配慮の提供に当たっては、障害者の性別、年齢、状態等に配慮するものとする。
なお、合理的配慮を必要とする障害者が多数見込まれる場合、障害者との関係性が長
期にわたる場合等には、その都度の合理的配慮とは別に、後述する環境の整備を考慮に
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入れることにより、中・長期的なコストの削減・効率化につながる点は重要である。
3 意思の表明に当たっては、具体的場面において、社会的障壁の除去に関する配慮を必
要としている状況にあることを言語(手話を含む。)のほか、点字、拡大文字、筆談、実
物の提示や身振りサイン等による合図、触覚による意思伝達など、障害者が他人とコミ
ュニケーションを図る際に必要な手段(通訳を介するものを含む。)により伝えられる。
また、障害者からの意思表明のみでなく、知的障害や精神障害(発達障害を含む。)等
により本人の意思表明が困難な場合には、障害者の家族、支援者・介助者、法定代理人
等、コミュニケーションを支援する者が本人を補佐して行う意思の表明も含む。
なお、意思の表明が困難な障害者が、家族、支援者・介助者、法定代理人等を伴って
いない場合など、意思の表明がない場合であっても、当該障害者が社会的障壁の除去を
必要としていることが明白である場合には、法の趣旨に鑑みれば、当該障害者に対して
適切と思われる配慮を提案するために建設的対話を働きかけるなど、自主的な取組に努
めることが望ましい。
4 合理的配慮は、障害者等の利用を想定して事前に行われる建築物のバリアフリー化、
介助者等の人的支援、情報アクセシビリティの向上等の環境の整備を基礎として、個々
の障害者に対して、その状況に応じて個別に実施される措置である。したがって、各場
面における環境の整備の状況により、合理的配慮の内容は異なることとなる。また、障
害の状態等が変化することもあるため、特に、障害者との関係性が長期にわたる場合等
には、提供する合理的配慮について、適宜、見直しを行うことが重要である。
5 厚生労働省が、事務又は事業の全部又は一部を委託等する場合は、提供される合理的
配慮の内容に大きな差異が生ずることにより障害者が不利益を受けることのないよう、
委託等の条件に、対応要領を踏まえた合理的配慮の提供について盛り込むよう努めるこ
とが望ましい。
第5 過重な負担の基本的な考え方
過重な負担については、具体的な検討をせずに過重な負担を拡大解釈するなどして法の
趣旨を損なうことなく、個別の事案ごとに、以下の要素等を考慮し、具体的場面や状況に
応じて総合的・客観的に判断することが必要である。職員は、過重な負担に当たると判断
した場合は、障害者にその理由を説明し、理解を得るよう努めることが望ましい。
○ 事務又は事業への影響の程度(事務又は事業の目的、内容、機能を損なうか否か)
○ 実現可能性の程度(物理的・技術的制約、人的・体制上の制約)
○ 費用・負担の程度
第6 合理的配慮の具体例
第4で示したとおり、合理的配慮は、障害の特性や社会的障壁の除去が求められる具体
的場面や状況に応じて異なり、多様かつ個別性の高いものであるが、具体例としては、次
のようなものがある。
なお、記載した具体例については、第5で示した過重な負担が存在しないことを前提と
していること、また、これらはあくまでも例示であり、記載されている具体例だけに限ら
れるものではないことに留意する必要がある。
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(合理的配慮に当たり得る物理的環境への配慮の具体例)
○ 段差がある場合に、車椅子利用者にキャスター上げ等の補助をする、携帯スロープを
渡すなどする。
○ 配架棚の高い所に置かれたパンフレット等を取って渡す。パンフレット等の位置を分
かりやすく伝える。
○ 目的の場所までの案内の際に、障害者の歩行速度に合わせた速度で歩いたり、前後・
左右・距離の位置取りについて、障害者の希望を聞いたりする。
○ 障害の特性により、頻繁に離席の必要がある場合に、会場の座席位置を扉付近にする。
○ 疲労を感じやすい障害者から別室での休憩の申し出があった際、別室の確保が困難で
あったことから、当該障害者に事情を説明し、対応窓口の近くに長椅子を移動させて臨
時の休憩スペースを設ける。
○ 不随意運動等により書類等を押さえることが難しい障害者に対し、職員が書類を押さ
えたり、バインダー等の固定器具を提供したりする。
○ 災害や事故が発生した際、館内放送で避難情報等の緊急情報を聞くことが難しい聴覚
障害者に対し、電光掲示板、手書きのボード等を用いて、分かりやすく案内し誘導を図
る。
(合理的配慮に当たり得る意思疎通の配慮の具体例)
○ 筆談、読み上げ、手話、点字、拡大文字などのコミュニケーション手段を用いる。
○ 会議資料等について、点字、拡大文字等で作成する際に、各々の媒体間でページ番号
等が異なりうることに留意して使用する。
○ 視覚障害のある委員に会議資料等を事前送付する際、読み上げソフトに対応できるよ
う電子データ(テキスト形式)で提供する。
○ 意思疎通が不得意な障害者に対し、絵カード等を活用して意思を確認する。
○ 駐車場などで通常、口頭で行う案内を、紙にメモをして渡す。
○ 書類記入の依頼時に、記入方法等を本人の目の前で示したり、わかりやすい記述で伝
達したりする。本人の依頼がある場合には、代読といった配慮を行う。
○ 比喩表現等が苦手な障害者に対し、比喩や暗喩、二重否定表現などを用いずに具体的
に説明する。
○ 障害者から申し出があった際に、ゆっくり、丁寧に、繰り返し説明し、内容が理解さ
れたことを確認しながら応対する。また、なじみのない外来語は避ける、漢数字は用い
ない、時刻は24 時間表記ではなく午前・午後で表記するなどの配慮を念頭に置いたメモ
を、必要に応じて適時に渡す。
○ 会議の進行に当たり、資料を見ながら説明を聞くことが困難な視覚又は聴覚に障害の
ある委員や知的障害を持つ委員に対し、ゆっくり、丁寧な進行を心がけるなどの配慮を
行う。
○ 会議の進行に当たっては、職員等が委員の障害の特性に合ったサポートを行う等、可
能な範囲での配慮を行う。
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(ルール・慣行の柔軟な変更の具体例)
○ 順番を待つことが苦手な障害者に対し、周囲の者の理解を得た上で、手続き順を入れ
替える。
○ 立って列に並んで順番を待っている場合に、周囲の者の理解を得た上で、当該障害者
の順番が来るまで別室や席を用意する。
○ スクリーン、手話通訳者、板書等がよく見えるように、スクリーン等に近い席を確保
する。
○ 車両乗降場所を施設出入口に近い場所へ変更する。
○ 厚生労働省の敷地内の駐車場等において、障害者の来庁が多数見込まれる場合、通常、
障害者専用とされていない区画を障害者専用の区画に変更する。
○ 入館時にICカードゲートを通過することが困難な場合、別ルートからの入館を認める。
○ 他人との接触、多人数の中にいることによる緊張等により、発作等がある場合、当該
障害者に説明の上、障害の特性や施設の状況に応じて別室を準備する。
○ 非公表又は未公表情報を扱う会議等において、情報管理に係る担保が得られることを
前提に、障害のある委員の理解を援助する者の同席を認める。
(障害特性に応じた留意点について)
障害特性に応じた対応の具体例に関しては、「障害者差別解消法福祉事業者向けガイド
ライン~福祉分野における事業者が講ずべき障害を理由とする差別を解消するための措置
に関する指針~」第3(3)に代表的な障害特性と対応時に配慮すべき事項について示さ
れているので、別添に留意されたい。
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別添
障害者差別解消法福祉事業者向けガイドライン~福祉分野における事業者
が講ずべき障害を理由とする差別を解消するための措置に関する指針~
第3 障害を理由とする不当な差別的取扱い及び合理的配慮の例
(3)障害特性に応じた対応について
障害者と接する際には、それぞれの障害特性に応じた対応が求められます。
以下に、代表的な障害特性と対応時に配慮すべき事項について簡単にまとめて
います。
このほか、障害児については、成人の障害者とは異なる支援の必要性があり
ます。子どもは成長、発達の途上にあり、乳幼児期の段階から、個々の子ども
の発達の段階に応じて一人ひとりの個性と能力に応じた丁寧に配慮された支援
を行う発達支援が必要です。また、子どもを養育する家族を含めた丁寧かつ早
い段階からの家族支援が必要です。特に、保護者が子どもの障害を知った時の
気持ちを出発点とし、障害を理解する態度を持つようになるまでの過程におい
ては、関係者の十分な配慮と支援が必要です。
また、医療的ケアを要する障害児については、配慮を要する程度に個人差が
あることに留意し、医療機関等と連携を図りながら、個々の状態や必要な支援
を丁寧に確認し、適切な支援を行うことが必要です。
視覚障害(視力障害・視野障害)
〔主な特性〕
・先天性で受障される方のほか、最近は糖尿病性網膜症などで受障される人も多く、
高齢者では、緑内障や黄斑部変性症が多い
・視力障害:視覚的な情報を全く得られない又はほとんど得られない人と、文字の拡
大や視覚補助具等を使用し保有する視力を活用できる人に大きく分けられる
(全盲、弱視といわれることもある)
* 視力をほとんど活用できない人の場合、音声、触覚、嗅覚など、視覚以外の情報
を手がかりに周囲の状況を把握している
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* 文字の読みとりは、点字に加えて最近では画面上の文字情報を読み上げるソフト
を用いてパソコンで行うこともある(点字の読み書きができる人ばかりではない)
* 視力をある程度活用できる人の場合は、補助具を使用したり文字を拡大したり近
づいて見るなどの様々な工夫をして情報を得ている

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