〔目次〕
はじめに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
■バス火災事故の状況・・・・・・・・・・・・・・・ 2
■バス火災事故の分析・・・・・・・・・・・・・・・ 2
■点検整備のポイント・・・・・・・・・・・・・・・・ 4
1.原動機 (エンジン)
2.制動装置(ブレーキ)
3.走行装置(トランスミッション/デフ/アクスル)
4.電気装置(電気機器類/配線)
〔具体的事例〕・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6
■運転操作ミスや整備作業ミス
などの防止のためのポイント・・・ 8
■点検整備の時期など・・・・・・・・・・・・・・・ 9
■車両火災事故の前兆、予兆・・・・・・・・ 10
さいごに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11
※本書は、事業用・大型バスを対象にして書かれています。
※詳しい点検のしかたや整備のしかたは、各自動車メーカーの「整備のマニュアル」などを ご覧ください。
はじめに
平成27年12月の東京都豊島区池袋でのバス火災事故をはじめ、年末年始から
同種事故が多発している状況です。
多くの乗客を輸送するバスが、火災を起こしてしまうと、人命に関わる大きな事
故となりかねません。
平成28年2月、国土交通省が発表しました平成23年~平成26年に発生した
バス火災事故分析結果では、車両の点検整備不十分や整備作業ミスに起因する火災
事故が約6割を占めている状況でした。
国土交通省では、バス火災事故を防止し、安全な乗客の輸送が確保できるよう、
一般社団法人日本自動車工業会、一般社団法人日本自動車車体工業会及び公益社団
法人日本バス協会の協力のもと、「運行前点検」や「定期点検」等を行う上でバス火
災事故防止のための重要なポイントを、4つの装置別(火災発生部位別)に分けて
とりまとめました。
バス火災事故は、日頃の予兆や異状を見逃さず、丁寧に点検整備を行うことで防
げます。
バス事業者には、道路運送車両法による自動車の使用者としての点検整備の義務
のほか、道路運送法体系による運送事業者としての点検整備の義務も課せられてい
ます。本書も参考とした適切な点検整備の実施により、バス火災事故の防止に努め
ていただくことを期待します。
平成28年4月
【参考】
〇道路運送車両法(昭和二十六年法律第百八十五号)-抄-
(使用者の点検及び整備の義務)
第四十七条 自動車の使用者は、自動車の点検をし、及び必要に応じ整備をすることにより、当該自動
車を保安基準に適合するように維持しなければならない。
〇旅客自動車運送事業運輸規則(昭和三十一年運輸省令第四十四号)-抄-
(点検整備等)
第四十五条 旅客自動車運送事業者は、事業用自動車につき、点検整備、整備管理者の選任及び
検査に関する道路運送車両法の規定に従うほか、次に掲げる事項を遵守しなければならない。
一 事業用自動車の構造及び装置並びに運行する道路の状況、走行距離等の使用の条件を考慮し
て、定期に行う点検の基準を作成し、これに基づいて点検し、必要な整備をすること。
二 前号の点検及び整備をしたときは、道路運送車両法第四十九条の規定に準じて、点検及び整備
に関する記録簿に記載し、これを保存すること。
さいごに
もしもバス火災事故が発生してしまったら・・・
もしも、バス火災事故が発生してしまった場合には、あわてずに乗客・乗員の安全
を最優先に考えて行動するようにしてください。
当たり前のことですが、火災発生時の留意点を以下に示します。
《留意点》
異状を感じたら、すみやかに安全な場所に停車し、乗客の避難誘導を行うようにしてください。
(日頃からの避難訓練の実施が望ましい)
車載の消火器で消火が困難な場合には、無理をせず消防・警察等へ連絡するとともに、運行
管理者や整備管理者に連絡して、指示をあおぐようにしてください。
※公益社団法人日本バス協会が車両火災時の避難誘導などについてとりまとめた「車両火災発生等
緊急時における統一対応マニュアル」等も参考にしてください。
(URL:http://www.bus.or.jp/anzen/pdf/kinkyuman.pdf )
なお、車両火災事故は、自動車事故報告規則に基づく事故報告の対象となりますの
で、忘れずに運輸支局等に提出するようにしてください。
提出された事故報告をもとに火災事故を類型化して分析し、再び同様の火災事故を
起こさぬように対策を講じることが可能となるためです。
点検整備を入念に行って、車両火災の発生を防ぎましょう!
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