2019年10月26日土曜日

平成30年度個別労働紛争解決制度施行状況について





総合労働相談は高止まりの状況

「挨拶しても無視」、「上司からたびたび暴言や恫喝」 など「いじめ・嫌がらせ」が9年連続トップ

香川労働局(局長: 本間ほんま ゆきてる)は、「個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律」に基づき、個々の労働者と事業主との間の「個別労働紛争解決制度」を運用しており、このたび、平30年度の状況をまとめたので公表します。






1 労働相談の状況

(1)民事上の個別労働紛争相談件数が増加

香川労働局では、雇用環境・均等室及び各労働基準監督署内に設置した総合労働相談コーナー(県下6か所)において、あらゆる労働問題に関する相談に対応している。

平成30年度に寄せられた相談件数は、

・総合労働相談件数       7,841

・民事上の個別労働紛争相談件数 1,826件(内数)

であった。
前年度と比較すると、法令・制度の問い合わせ等を含む「総合労働相談件数」は79件(前年度比1.0%)減少したが、「民事上の個別労働紛争相談件数」は39件(前年度比2.2%)増加した。(第1図参照)





「民事上の個別労働紛争」とは、労働条件その他労働関係に関する事項についての個々の労働者と事業主との間の紛争(労働基準法等の違反に係るものを除く。)である。








(2)「いじめ・嫌がらせ」の相談が9年連続のトップ

民事上の個別労働紛争の主な相談内容の推移としては、「いじめ・嫌がらせ」が前年度と比較して49件、率にして7.6%増加し、9年連続でトップである。

また、「自己都合退職」が8.7%増加し、「いじめ・嫌がらせ」に次いで5年連続相談件数が多い。(第2図参照)

平成30年度の民事上の個別労働紛争の内訳としては、「いじめ・嫌がらせ」が696件(34.5%)と最も多く、次いで「自己都合退職」が288件(14.3%)と大半を占めている。(第3図参照)
相談者の内訳は、労働者が 1,471件(80.6%)と大半を占めており、事業主からの相談は160件(8.8%)であった。労働者の就労形態は、「正社員」が522


28.6%)、「パート・アルバイト」が 271件(14.8%)、「期間契約社員」が154件(8.4%)、「派遣労働者」が55件(3.0%)となっている。(別添1参照)














1回の相談において複数の内容にまたがる相談が行われた場合には、複数の相談内容を件数として計上。
 合計値は、四捨五入による端数処理の関係で100%にならないことがある。






2 香川労働局長による助言・指導及び香川紛争調整委員会によるあっせんの状況
(1) 助言・指導申出件数は、ここ数年ほぼ横ばい、あっせん申請件数は増減を繰
 
り返している
紛争の自主的解決に至らない事案については、労使間の民事上の個別労働紛争の解決を図るため、
① 香川労働局長による助言・指導
② 香川紛争調整委員会によるあっせん
を運用している。
平成30年度の運用状況は、
・助言・指導申出件数  81
・あっせん申請件数   13
であった。
ここ3年間は、助言・指導申出件数は連続して増加しており、あっせん申請件数は10件台で推移している。(第4図参照)











(参考)

【紛争調整委員会とは】

労働問題の専門家により組織された委員会であり、都道府県労働局ごとに設置されている。
香川紛争調整委員会は、弁護士及び特定社会保険労務士の6名の委員により構成されており、この委員のうちから指名されるあっせん委員が、紛争解決に向けてあっせんを実施するものである。



(2)主な紛争の内容は、「いじめ・嫌がらせ」、「出向・配置転換」、「退職勧奨」など

 【助言・指導】

平成30年度の助言・指導申出内容の内訳としては、「いじめ・嫌がらせ」が27件(27.8%)で最も多く、次いで、「出向・配置転換」が13件(13.4%)、「退職勧奨」が9件(9.3%)、「その他」が8件(8.2%)となっている。
(第5図参照)










【あっせん】

    平成30年度のあっせん申請内容の内訳としては、「普通解雇」が6件(31.6%)、で最も多く、次いで、「いじめ・嫌がらせ」が3件(15.8%)、「雇止め」、「その他の労働条件」及び「その他」がそれぞれ2件(10.5%)となっている。
(第6図参照)  












(3)助言・指導は1か月以内に、あっせんは2か月以内に処理しており、迅速な処理を実施

 

【助言・指導】

  助言・指導の申出があったものの中で、平成30年度内に処理が終了したものは79件であった。

このうち、申出が取り下げられた6件(7.6%)を除く、73件(92.4%)について助言・指導を実施している。

平成30年度に処理した79件全てが1か月以内に処理を終了している。(別添1参照)

 

【あっせん】

  あっせんの申請がなされた場合、紛争当事者の双方が参加した場合にはあっせんが開催され、合意または打切りとなる。

紛争当事者のどちらか一方が不参加であった場合にはあっせんは打切りとなる。

平成30年度内に処理が終了したあっせん13件のうち、紛争当事者があっせんに参加し、あっせんが開催されたものは7件(53.8%)であった。

あっせんが開催された7件のうち、合意が成立したものは5件(71.4%)であり、合意が成立せずに打切りとなったものも2件(28.6%)であった。

また、紛争当事者の一方が不参加により打切りとなったものは6件(46.2%)であった。

あっせんの合意率は38.5%(5/13件)である。

なお、あっせんの処理期間は、1か月以内が6件(46.2%)、2か月以内が7件(53.8%)であった。









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