法令・制度
1 はじめに 香川労働局では、労働災害防止のため昭和33年以来12次にわたり「労働災害防止5か年計画」を策定、推進してきた。この間、労働災害は関係者のたゆまぬ努力により長期的には減少してきたものの、ここ数年(7~8年)は減少が鈍化し平成28年以降は増加に転じたほか、労働者の高齢化や第3次産業等における労働者増などの要因も加わり、休業4日以上の死傷災害(以下「死傷災害」という。)は、もはやかつてのような減少は望めず、これまでとは異なった切り口や視点による対策が求められている。 また、長時間・過重労働を原因とする脳・心臓疾患や仕事のストレスを原因とする精神障害の防止、夏季の熱中症対策、腰痛、じん肺、石綿などの職業性疾病の予防も重要である。 働くことで生命が脅かされたり、健康が損なわれたりすることは本来あってはならず、本計画は国の「第13次労働災害防止計画」を踏まえ、香川県下における労働災害の着実な減少を目指し、今後5年間における防止対策の基本方針を示すものである。
2 計画期間 2018年(平成30年)度から2022年(平成34年)度までの5か年を計画期間とする。
3 計画の目標
- 死亡災害 死亡災害は一たび発生すれば取り返しがつかない災害であることから最優先で取り組み、 12次防最終年2017年の13人に対し、2022年に7人以下の減少率46%を目指す。
- 死傷災害 死傷災害については、12次防の最終年(2017年)の1,143人を起点とし、これを2022年(最 終年)には1,000人を下回る997人以下(12.8%減少)とする。
- 全ての労働局において目標を設定すべき国指定の重点業種に係る目標 ア 建設業及び製造業における死亡災害 これら2業種については、死亡者数を2017年と比較して2022年までに40%以上減少させ ることとし、具体的には、建設業では3人を2人以下とし、製造業では2人を1人以下と する。 イ 道路貨物運送業、小売業、社会福祉施設及び飲食店の4業種における死傷災害 これら4業種については、12次防における死傷災害の多寡やこれまでの減少率等を勘案 の上、死傷者数を2017年と比較して2022年までにそれぞれ11.6%(17人)、10.6%(15人)、20.4%(11人)、18.9%(7人)以上減少させることとし、具体的には、道路貨物運送業では 147人を130人以下とし、小売業では142人を127人以下とし、社会福祉施設では54人を43人以下とし、飲食店では37人を30人以下とすることを基本とする。
4 計画の重点事項、重点施策以下の7つを重点事項、重点施策とする。
(1)死亡災害の撲滅を目指した対策
ア 「交通労働災害」の防止対策
イ 「墜落・転落災害」の防止対策
ウ 「はさまれ・巻き込まれ災害」の防止対策
エ 「熱中症予防」対策
(2)災害が増加傾向にある又は減少がみられない業種等への対策
ア 第3次産業(小売業、社会福祉施設、飲食店)対策
イ 道路貨物運送業対策
ウ 建設業対策
エ 製造業対策
(3)業種横断的な災害防止対策
ア 転倒災害の防止対策
イ 腰痛の予防対策
ウ 未熟練労働者、高年齢労働者、派遣労働者に対する災害防止対策
(4)過重労働等による健康障害防止(メンタルヘルスを含む。)対策
(5)職業性疾病の予防対策
ア 化学物質による健康障害防止対策
イ 石綿による健康障害防止対策
ウ 粉じん障害防止対策
エ 受動喫煙防止対策
(6)疾病を抱える労働者への治療と仕事の両立支援対策
ア 両立支援ガイドライン等の周知啓発
イ 両立支援コーディネーターの育成等
(7)労働災害防止団体等との連携・協働による取組の強化
5 その他の企業・業界単位での安全衛生の取組の強化
(1)企業のマネジメントへの安全衛生の取込み
(2)労働安全衛生マネジメントシステムの普及と活用
6 計画の評価と見直し本計画に基づく取組が着実に実施されるよう、毎年、計画の実施状況を確認し、評価した上 で必要に応じて本計画を見直す。また、本計画の評価に当たっては、単に死傷者数や目標に掲げた指標の増減のみならず、その背景や影響を及ぼしたと考えられる指標、社会経済情勢の変化をも含めた分析、評価に努める。
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